11日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:レンジ上限到達で強弱感が対立しやすいか
■外資系証券の注文動向:差し引き370万株の買い越し
■前場の注目材料:日本企業による海外企業のM&Aが活発
■レンジ上限到達で強弱感が対立しやすいか
11日の日本株市場は、買い先行の相場展開になろう。
10日の米国市場は原油相場の上昇が好感され、NYダウは3日ぶりに反発。
この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比60円高の16950円だった。
これにさや寄せする格好から、買いが先行することになりそうだ。
7日の米雇用統計の結果については予想を下回ったが、利上げを正当化するような景気過熱の兆しはないとの見方の一方で、FRB(米連邦準備理事会)は月間の就業者数の伸びが15万人以上であれば景気は好調だとし、利上げを支持するのに十分との見方など、見解が分かれている。
米国の年内利上げに関しては今しばらく見極めが必要であろうが、予想を上回る指標が相次いでいるほか、連銀総裁による利上げを後押しする発言が相次いでおり、市場は年内利上げを織り込む流れに入ってきているとみられる。
ただ、買い先行も上値を積極的に買い上がる地合いではなさそう。
決算発表が次第に本格化してくることもあり、業績内容を見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすいと考えられる。
また、日経平均は16400-17000円のもち合いレンジが続いており、レンジ上限到達で達成感も意識されやすい。
海外勢の売り越し基調が続く中、一気にレンジを突破する展開は考えづらい面もある。
物色としては景気敏感セクターへの押し目拾いのスタンスとみておきたい。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■外資系証券の注文動向:差し引き370万株の買い越し
朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1480万株、買い1850万株、差し引き370万株の買い越しとの観測。
なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。
10月03日(月):20万株の買い越し
10月04日(火):430万株の買い越し
10月05日(水):80万株の売り越し
10月06日(木):510万株の売り越し
10月07日(金):170万株の売り越し
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(18329.04、+88.55)
・NY原油は上昇(51.35、+1.54)
・日本企業による海外企業のM&Aが活発、関連銘柄に関心
・日銀総裁、追加利下げは現段階で不要
・FRB副議長、年内の利上げ見込む
・米ユダシティ、自動運転車でティアフォーと提携
・若年層や女性の職業訓練、国が重点支援
☆前場のイベントスケジュール
・09:30 豪・8月住宅ローン(前月比予想:-1.5%、7月:-4.2%)
・10:30 エバンズ米シカゴ連銀総裁講演(シドニー、経済情勢と金融政策)
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