[クアラルンプール 5日 ロイター] - マレーシア下院(定数222)の総選挙は5日、選挙戦がスタートした。現職のイスマイルサブリ首相、アンワル元副首相、および、ムヒディン前首相がそれぞれ率いる有力な3つの政党連合が争う構図で、接戦が予想される。
世論調査やアナリストの予想によると、単一の政党連合が単独過半数を取る可能性は低く、連立政権樹立に向けた駆け引きが予想される。
2週間の選挙戦を経て19日に投開票される。有権者は約2100万人。国内経済が減速する中、インフレや政情不安といった問題に関心が集まっている。マレーシアでは2018年の前回選挙以降3人の首相が誕生している。
イスマイルサブリ首相が所属する与党の「国民戦線(BN)」、ムヒディン前首相がトップの「国民連盟(PN)」、アンワル元副首相が率いる「希望連盟(PH)」が争い、マハティール元首相が設立した政党も含めて複数政党からも立候補しており、これまで以上に票が分かれるとみられる。
政治コンサルタント会社バウアー・グループ・アジアのディレクター、アディブ・ザルカプリ氏は、経験豊富な3人の指導者率いる3つの政党連合が争うという状況は初めてだと述べ、世論調査では、明確な勝者が出ない可能性が示されており、連立政権樹立に向けた交渉が必要になるだろうと指摘した。