[ローマ 9日 ロイター] - イタリア連立政権を担う極右「同盟」は9日、コンテ内閣に対する不信任案を提出した。サルビーニ党首は、解散総選挙が行われ、自身が新たな指導者に就くことを望んでいる。
サルビーニ氏は、数カ月にも及ぶ論争の末、「五つ星運動」との連立政権は機能しないという認識を表明、「時間を無駄にする人々は自身のポストを守るためにイタリアを傷つけている」と批判した。
同盟が率いる新政権は、欧州連合(EU)の財政ルールと関係なく、減税実現を目標とする考えを示した。
議会が夏季休会中で、不信任案に関する審議時期は不明だが、サルビーニ氏は12日に同盟の全議員を招集し、早ければ来週にも不信任案採決を求めている。野党側は19─20日まで採決を見合わせる意向とみられる。上院の報道担当官は、各政党の幹部らが12日に会合を開き、不信任案の採決日程を決めると述べた。
選挙は早ければ10月に実施される可能性がある。だがこの時期は2020年の予算案編成や議会承認と重なる。予算案は年末までの承認が必要で、他の財源が見いだせない場合、来年1月から付加価値税率(メーンレート)が22%から25.2%に引き上げられる見通しだ。各党は、家計消費や内需への悪影響を懸念。政府筋はロイターの取材に、財務省当局者らが増税を一時停止する緊急命令を検討中だと明かした。
議会解散権を持つマッタレッラ大統領は、9月の予算案編成作業を控え、解散に消極的な姿勢を示す可能性がある。総選挙の前にまずは既存の議会で新政権樹立を図るとみられる。
五つ星運動と同盟は7日、伊仏高速鉄道計画を巡り激しく対立。推進派の同盟に対して五つ星が抵抗し、計画を阻止する動議を上院議会に提出するなど異例の事態となった。上院は結局、動議を反対多数で否決し、高速鉄道計画は継続する運びとなったが、サルビーニ党首は8日、連立政権は崩壊していると表明した。[nL4N2544WX]
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