[マーシュ・ハーバー(バハマ) 2日 ロイター] - 大型で強い勢力のハリケーン「ドリアン」は2日、カリブ海のバハマを直撃した。洪水や強風で家屋が倒壊し、少なくとも5人の死者が出た。米国立ハリケーン・センター(NHC)によると、ドリアンは米東海岸に接近しており、フロリダを含む3州で避難命令が出された。
ドリアンは2日正午前に5段階のうち4番目に強い「カテゴリー4」に格下げられたが、なお強い勢力を維持。米東部時間2日午後5時(日本時間3日午前6時)の発表では、グランド・バハマ島の上にあり、少なくとも3日午前まで滞留する見通し。最大風速は時速240キロに達しており、フロリダ州ウェストパームビーチから約170キロの距離に接近している。
NHCは、グランド・バハマ島では海面の高さが通常より4─5メートル上昇する恐れがあるとして警戒を呼び掛けている。
バハマのミニス首相は2日の記者会見で、バハマ北部のアバコ諸島で少なくとも5人が死亡したと述べた。国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)によると、バハマで約1万3000戸の家屋が倒壊あるいは深刻な被害を受けた可能性がある。
NHCによると、3日遅くにはゆっくり北西に進み、フロリダ、ジョージア、サウスカロライナの各州の沿岸部を北上する見通し。
米ホワイトハウスでは当局者がハリケーン対策を策定。報道官によると、トランプ大統領は1時間おきに報告を受けている。
ドリアンの接近に伴い、フロリダ州では9つの郡が避難命令を発令。トランプ大統領が所有するリゾート「マールアラーゴ」があるパームビーチ郡も含まれている。
このほか、サウスカロライナ州の8つの郡、ジョージア州の6つの郡でも避難命令が発令された。
フロリダ州のオーランド国際空港は3日午前2時に空港を閉鎖すると発表。オーランドにあるテーマパーク「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」 (N:DIS)は3日は通常より早く営業を終了する。
ハリケーンの接近に伴い空の便も乱れており、デルタ航空 (N:DAL)は、フロリダ州フォートローダーデールなどの空港が閉鎖されたため、2日と3日の発着便55便を欠航。アメリカン航空グループ (O:AAL)によると、フロリダとバハマの7つの空港が一時閉鎖となり、ジョージア、ノースカロライナ、サウスカロライナを含む20以上の空港について渡航警告が出されているという。
最近のハリケーンの巨大化について、科学者は気候変動の影響を指摘している。
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