[北京 3日 ロイター] - 中国国家禁毒委員会の劉躍進・副主任は、合成オピオイド「フェンタニル」の密輸撲滅における中国と米国の協力は「限定的」なものにとどまっていると述べた。国営テレビが3日に伝えた。
複数の米当局者は、国際郵便などを通じて米国に流入する違法なフェンタニルおよびフェンタニル関連物質の主な供給源は中国だと指摘。中国側はこれを否定している。
国営テレビによると、麻薬を規制する同委員会の劉副主任は記者会見で、中国は違法なフェンタニルの製造を取り締まっていると説明。麻薬対応を行う米中の法執行機関は長年にわたって良好な協力関係を維持しているとする国家禁毒委のリポートに触れつつ、「しかし、フェンタニル関連物質の捜査・訴追における協力は極めて限られている」と述べた。
この報告書によると、米国は2012年以降、フェンタニルに関連した密輸の手掛かりを中国に報告したのは6件にとどまり、このうち解決したのは3件にとどまる。
劉副主任は、フェンタニル関連物質に対する管理を中国が強化した5月1日以降、中国はフェンタニルに関連した密輸を1件も認知していないと話した。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20190903T061343+0000