[ローマ 4日 ロイター] - イタリアのコンテ首相は4日、閣僚名簿を提出し、マッタレッラ大統領によって承認された。5日午前にも宣誓式が行われ、新内閣が発足する。
主要ポストである経済財務相には欧州議会の経済問題委員会で委員長を務めるロベルト・グアルティエーリ氏を起用。中道左派の民主党と連立政権樹立で合意した左派「五つ星運動」のディマイオ党首は外相に就任する。国際外交の舞台にデビューすることになる。
極右「同盟」と五つ星による前連立政権の崩壊を導いた同盟のサルビーニ党首がこれまで務めてきた内相の後任には、政党に所属していないキャリア官僚のルシアーナ・ラモルゲーゼ氏が就く。
また上院での議席数拡大に向け、左派「自由と平等」(LEU)の幹部、ロベルト・スペランザ氏も入閣。LEUは連立政権の一角を担うことになる。
金融市場ではここ1週間、新たな連立政権の樹立で前倒し総選挙が回避される見通しとなったことから、イタリアの株式や国債が上昇。新政権が前政権よりも親欧州連合(EU)的であることも好感されている。
クレディ・スイス(イタリア)のフェデリコ・インベルト最高経営責任者(CEO)は「非常に好意的に評価している」とし、「グアルティエーリ氏のEUでの豊富な経験は大きなプラスで、投資家が新政権の顔ぶれに失望することはないだろう」と述べた。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのイタリア担当最高投資責任者(CIO)、マッテオ・ラメンギ氏は、閣僚名簿によって連立与党間のバランスや新政権の親EU的姿勢があらためて明らかになったとした。
また、連立政権は上院で辛うじて過半数を確保している状態だが、来週にも見込まれる両院での信任投票で信任を得る可能性が高いとした。
格付け会社S&Pグローバルは4日、新政権の下で重要な政策の転換が行われ、イタリアの格付けの下押し圧力が低減する可能性があるとの見方を示した。[nL3N25V3RV]
イタリア10年債利回り (IT10YT=RR)はこの日、0.80%まで低下し、過去最低を更新。独10年債との利回り格差 (DE10IT10=RR)は145ベーシスポイント(bp)と、1年余りぶりの水準まで縮まった。
*内容を更新しました。