[ワシントン 18日 ロイター] - トランプ米大統領は18日、カリフォルニア州が連邦政府よりも厳しい自動車排ガス規制を独自に導入する権限を米環境保護局(EPA)が剥奪する方針を確認した。
さらにトランプ政権は数週間中に他のオバマ前政権下で定められていた自動車の燃料基準を緩和する規則を発表する見通し。
カリフォルニア州は州政府の権限や環境問題対策などを巡り、トランプ政権に対抗する構えを鮮明にしており、大規模な法廷闘争につながる可能性がある。政権高官は、訴訟になれば最高裁の判断に委ねられる可能性があると述べている。
トランプ大統領はツイッターへの投稿で「自動車メーカーはこの好機に乗じるべきだ。今回のカリフォルニア州に対する措置がなければ、米自動車メーカーは破綻に追い込まれていただろう」とし、今回の決定への支持を求めた。
これまでに、トランプ大統領の方針を公に支持している自動車メーカーはない。
カリフォルニア州は2025年までに、同州での自動車販売に占める電気自動車(EV)や無公害車の比率を15.4%に引き上げることを目指している。その他10州もカリフォルニア州の動きに追随する方針を示している。
カリフォルニア州のニューサム知事は記者会見で、今回の決定について「カリフォルニア州とわれわれの進展に対する政治的攻撃の延長」と指摘。法廷闘争となっても「勝利を得るだろう」とした。
ゼネラル・モーターズ(GM) (N:GM)やトヨタ自動車 (T:7203)、フォルクスワーゲン(VW) (DE:VOWG_p)、フォード (N:F)などが加盟する米自動車工業会(AAM)は「自動車メーカーや従業員、顧客に対する影響の全体像を把握するために」今回の決定について検討するとした。
EPAと米運輸省は19日にカリフォルニア州の排ガス規制の独自導入を巡る権限剥奪を発表する予定。東部時間午前8時(日本時間午後9時)に記者会見を開く。
環境保護団体シエラクラブのマイケル・ブリュヌ事務局長は「米政権による報復的な行為にほかならず、石油メジャーに汚染への道筋を与え、米国の気候と国民の幸せを犠牲にする」とし、提訴する意向を示した。
民主党は今回の決定を批判。民主党の大統領候補指名を目指すバイデン前副大統領は「より高い自動車排出ガス基準は大気を浄化し、われわれの健康を保ち、世界市場における自動車業界の競争力を維持する」と述べた。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20190918T213819+0000