[ニューヨーク 23日 ロイター] - 英国のジョンソン首相は23日、英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、国連総会に合わせて行うEU首脳らとの協議での事態打開に慎重な見方を示した。
ジョンソン首相はニューヨークでの国連総会に合わせてドイツのメルケル首相やアイルランドのバラッカー首相などEU加盟国の首脳や、トゥスクEU大統領と会談する予定だ。
ジョンソン氏はニューヨークに向かう航空機内で記者団に対し、「いよいよ時が来たと思わないように」とくぎを刺し、「ニューヨークで事態の打開があるという期待を過剰に高めたくない」と述べた。
また、メイ前首相が合意した離脱協定案を修正する必要があることをEU首脳らは今では認めているとし、自身が首相に就任した7月以降、「大きな」進展が得られたと主張。「衛生・植物検疫上、アイルランド島を一つの区域として扱う案に関心が寄せられており、心強い展開だ」と述べた。一方、「依然として溝や問題があるのは明らかだ」とも語った。
さらに、将来的に英国「全土」がEU法から分かれることが重要だと強調し、「現在のバックストップ(安全策)では、英国が多数の産業基準などでEUと異なる道を行くことができない点が問題だ」と述べた。
その上で、独自の規制を導入するのが望ましいかもしれないが、円滑な物の流れを維持することにも大きな利点があるとし、両方を実現することが可能だとの見方を示した。