[ロンドン 14日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は14日に公表した月報で、来年は供給過多の縮小が見込まれているものの、OPEC非加盟国の生産増を受けOPEC産原油に対する需要は減退するとの見方を示した。OPEC加盟国と非加盟産油国で構成されるOPECプラスが12月5─6日にウィーンで開く会合で協調減産の延長を決定する論拠となる可能性がある。
OPECは来年のOPEC産原油の需要は平均で日量2958万バレルになると予想。今年の予想からは日量112万バレル少ない水準となる。
ただOPECは来年の経済と原油需要の見通しは維持し、これまでより楽観的な見方を表明。「米中通商問題の改善、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る合意、日本の財政刺激策を巡る兆しが出ているほか、主要新興国の急速な減速も安定化しており、成長見通しは現時点の予測で落ち着く公算がある」とした。
在庫については、先進国で9月に減少したと表明。ただ、OPECが指標とする5年平均をなお2800万バレル上回っているとした。
このほか、原油価格の上昇で米シェールオイルなどOPEC外の生産が増大したと指摘。ただOPEC非加盟国の供給の伸びは来年、日量217万バレルになるとし、従来予想から日量4万バレル引き下げた。
OPECの10月産油量は日量94万3000バレル増の日量2965万バレル。この水準が維持され、その他の条件は一定と仮定すると、来年は日量7万バレルの供給過多が発生する。サウジアラビアの石油施設に対する攻撃発生前の9月の月報では、日量34万バレルの供給過多が発生するとの見方が示されていた。
OPEC月報の公表を受け、北海ブレント先物 (LCOc1)は1バレル=63ドル近辺で安定的に推移。
OPECプラスは今年1月1日から日量120万バレルの協調減産を実施。7月に来年3月まで延長することを決定した。