[ブリュッセル 27日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)は27日、米ボーイング (N:BA)に対して、同社製の早期警戒管制機「AWACS」の電子装備を強化する10億ドルの契約を発注した。
1982年に飛行を開始し、その後改装を繰り返しているAWACSは、NATOの域外はるか遠方まで敵の飛行機やミサイル、艦船などを探知する能力を持ち、現在はドイツの基地に14機が配備されている。今回の作業ではより強力なコンピュータープロセッサなどを備え、2035年までの運用を目指す。既にデータリンクを通じて陸海空の司令部と情報を共有できるが、データ伝送能力のさらなる向上が求められているという。
NATOのストルテンベルグ事務総長は記者会見で「この近代化でNATOの技術的な優位が引き続き確保される。AWACSは洗練された新たな通信・ネットワーク能力を獲得し、重要な作戦を遂行し続けられる」と語った。
あるNATOの高官は、加盟18カ国の出身者で搭乗員を構成するAWACSについて、NATO結束の象徴とみなし、米国とその他加盟国の間にきしみが生まれている中で重要な存在になっているとの見方を示した。