[11日 ロイター] - サイバー防御に関するサービスを提供するセンチネルワン(米カリフォルニア州)は11日、サイバー攻撃に関する報告書を公表し、北朝鮮政府の支援を受けるハッカー集団「ラザルス」が東欧のサイバー犯罪集団と共謀していると指摘した。
同社のビターリ・クリミズ代表は、メールを通じてパソコンに感染して情報を窃取するTrickBot(トリックボット)というマルウェアとラザルスとの間に因果関係があるとした上で「これは私が知る限り最大規模のサイバー犯罪だ」と断罪した。
今年発生したチリの銀行間ネットワークへの不正侵入で、ラザルスが管理するサーバーにトリックボットが接触。その数時間後に同サーバーが利用される形でネットワークが被害にあったという。米当局者らは数百万ドルの資金が盗まれたとみている。
クリミズ氏はトリックボットの運用者らが報酬などと引き換えにラザルスを援助している公算が大きいとしている。
ラザルスは2014年に発生したソニー (T:6758)傘下の米映画会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのサイバー攻撃や16年のバングラデシュ中央銀行に絡む不正送金事件などに関与した疑いが持たれている。