[ワシントン 4日 ロイター] - 米上院は4日、ロシア産天然ガスをドイツへ直送する海底パイプライン「ノルドストリーム2」に関する制裁を強化する法案を公表した。
同パイプラインを巡っては、欧州に対するロシアの政治・経済的な支配力が強まるとして、米政界で反対の声が強い。
昨年終盤、ノルドストリーム2の敷設事業に参加する企業に制裁を科す法案がトランプ米大統領の署名を受けて成立。主要な参加企業1社が敷設作業を停止した。[nL4N28W0T8]
プロジェクトの残り160キロを完成させるためにロシア保有のパイプ敷設船2隻が利用される見込みとなっている。
ロシアのプーチン大統領はこれまで、ノルドストリーム2が2020年末もしくは来年初めに操業を開始できるとの見通しを示している。
共和党のテッド・クルーズ上院議員と民主党のジーン・シャヒーン上院議員が先頭に立っている新たな法案は、パイプ敷設活動に関与する団体や、プロジェクトに対して引き受けサービス、保険、再保険を提供する団体への罰金を盛り込む内容になっている。
クルーズ議員は「パイプライン敷設船の関係先が壊滅的な影響と即時制裁に直面することを明確にする」と説明。シャヒーン議員はパイプラインがウクライナと欧州のエネルギー自給を脅かしており、「ロシアがわれわれの同盟国に付け入ることにつながる」と述べた。
法案は上下両院での可決とトランプ大統領の署名が必要だ。
ノルドストリーム2の広報担当者は、欧州の家計と産業はこのパイプラインが建設されなければ天然ガスに「さらに数十億」支払うことになると指摘。「欧州連合(EU)のエネルギー政策に関する決定は欧州の人々に委ねるべきだ」と述べた。
ドイツのアルトマイヤー経済相は先週、「制裁による脅しを強めている。米国外のことで国際法に抵触するものだ」と米国を非難した。
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