[上海 15日 ロイター] - 中国は、世界における人民元建て債券の担保としての利用を推進している。米国との緊張の高まりを警戒し、人民元の国際的な利用拡大を目指し取り組みを進めているからだ。
銀行間債券市場の証券決済機関、中国中央国債登記結算(CCDC)は15日、海外市場での元建て債の担保としての利用に関する白書を発表。国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)と共同で作成した。
CCDCとISDAの幹部らは、2016年に始まった、店頭デリバティブ(金融派生商品)取引の担保にあたる証拠金差し入れの段階的な義務化を受けた研究報告だと説明。
ISDAのスコット・オマリア最高責任者はフォーラムで「中国債券市場の規模および対外開放の急速な拡大を踏まえると、人民元建ての中国債を担保として使うことによる影響を把握したいと企業が切望しているのは驚くべきことではない」と述べた。
ロイターは白書の詳細をまだ確認できていない。ISDAの広報担当者はまだ作成は終了していないと述べた。
ただ、同じフォーラムで中国銀行(BOC)の国際市場部門の責任者は、元建て債を担保に利用することへの国際的な認知を高め、国際機関にデリバティブ取引の当初証拠金として中国債を使うことを促し、中国債を裏付けとした外貨での資金調達を促進することが具体的な推進策に含まれると示唆した。
CCDCの徐良堆・副社長は同じフォーラムで、中国債は安全資産に対する世界的な需要を満たすのに重要な役割を果たすと指摘。とりわけ、世界的に金利が低く、高品質な担保の不足が深刻化する状況ではそう言えるとした。
CCDCのデータによると、外国人投資家による中国債の保有高は8月に21カ月連続で増加しており、海外投資家の関心の高まりを物語った。