[シンガポール 16日 ロイター] - 16日のアジア時間序盤の原油先物は上昇。石油輸出国機構(OPEC) 加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が来年1月に計画している増産を見送るとの期待が、新型コロナウイルス再拡大による燃料需要減退やリビアの増産を巡る懸念を相殺している。
0043GMT(日本時間午前9時43分)現在、北海ブレント先物の1月限 (LCOc1)は0.27ドル(0.6%)高の1バレル=43.05ドル。米WTI先物は12月限 (CLc1) が0.35ドル(0.9%)高の40.48ドル。
ブレント、WTIともに先週はOPECプラスによる増産見送りへの期待から週間で8%超上昇。
OPECプラスは17日に合同閣僚監視委員会(JMMC)を実施し、11月30日─12月1日に総会を開催する。
OPEC加盟国であるリビアによる急速な生産回復はOPECプラスの協調減産に課題をもたらしている。一方、欧州と米国での自動車交通量の鈍化は今冬の燃料需要回復への期待をしぼませている。
ANZのアナリストは「封鎖措置の拡大で、欧州の高速道路交通量はここ数週間は一部の国で約50%減少している」と指摘。米国でも当局が行動制限の再導入に消極的なのにもかかわらず、高速での交通量が鈍っていることがデータで示されているという。
一方、エネルギーサービス会社ベーカー・ヒューズが発表した13日までの週の米国内石油・天然ガス掘削リグ稼働数は、前週比12基増の312基と5月以来の高水準となった。
ANZのアナリストは来年上半期に原油の供給超過幅が日量150万─300万バレルに拡大すると予想。新型コロナウイルスワクチンによる燃料需要への押し上げ効果が表れるのは下半期になると見込んでいる。