[バンコク 16日 ロイター] - タイ国家経済社会開発評議会(NESDC)が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.4%減と、マイナス幅はロイターがまとめた市場予想(8.6%減)よりも小さかった。新型コロナウイルス対策の制限が緩和され、国内の経済活動が改善した。
季節調整済み前期比は6.5%のプラス成長と、伸び率は8年以上ぶりの高水準を記録し、エコノミスト予想の3.8%を上回った。
第2・四半期のGDPは前年比12.1%減(改定値)と過去20年以上で最も大幅な落ち込みとなっていた。前期比も9.9%減(改定値)と過去最大の下げ幅だった。
NESDCは今年の成長率予想をマイナス7.3─7.8%から、マイナス6.0%に引き上げた。今年の輸出見通しは7.5%減とし、10%落ち込むとしていた従来予想から上方修正した。
ティスコのエコノミストは「第3・四半期のデータはかなりサプライズだったが、経済状況は変わっておらず、第1・四半期までマイナス成長は続くとみている」と語った。
タイは国内の感染状況が落ち着いたことから大方の規制を解除しているものの、世界的に弱い需要や外国人観光客の激減で依然として厳しい経済状況が続いている。
カシコン銀行の資本市場調査責任者は「北半球の冬の間にみられる新型コロナ感染者の増加傾向は今後2四半期にわたって経済を圧迫するだろう」と指摘した。
NESDCは16日、タイを訪問する外国人観光客が今年670万人になるとの見通しを示した。4月から10月初めの外国人観光客はゼロだった。昨年は過去最多の3980万人が訪れ、外国人観光客の支出額はGDPの11.4%を占めた。
2021年の外国人観光客の来訪は500万人と見込んでいる。
*内容を追加し、写真をつけました。