[ベルリン 12日 ロイター] - ドイツの最大与党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は12日、9月の連邦選挙の首相候補者選定で意見が対立した。メルケル首相の下、16年間政権を維持してきた保守系与党が政権を失うかもしれないとの懸念が露呈された。
CDUに所属するメルケル氏は秋の政界引退が決まっている。CDUからは、ラシェット党首が先に立候補を表明。CSUのゼーダー党首も11日、立候補を表明した。
総選挙が9月26日に近づく中、保守派の両党はどちらを首相候補に立てて戦うか速やかな決断を迫られる。
ゼーダー氏は12日、CSUの全会一致の支持を確保した。一方、CDU幹部はこれまでラシェット氏支持を表明しており、CDUのツィーミアク幹事長は、ラシェット氏が両党から幅広い支持を得ていると主張した。
ラシェットは迅速に候補者を決定する必要があると指摘。ゼーダー氏は、今週中の決定を目指し、数日の協議期間を求めた。
中道派のラシェット氏(60)は、メルケル氏の遺産を引き継ぐ候補者として広く認識されているが、新型コロナウイルス感染拡大に際しての制限措置を巡ってはメルケル氏と対立。また人口最多のノルトライン・ウェストファーレン州首相としてコロナへの対応が混乱し、支持率を落とした。
バイエルン州首相のゼーダー氏(54)はそつがない政治家として知られ、コロナ禍ではメルケル氏の政策を支持した。ただCSU党首がドイツ首相に就いた前例はない。
フォルザが4月7─10日に有権者2024人を対象に実施した世論調査によると、支持率はゼーダー氏が36%、ラシェット氏は3%にとどまった。