[香港 12日 ロイター] - 香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は12日、新型コロナウイルスワクチンの接種を全て完了した市民を対象に、4月末から行動制限を一部緩和すると発表した。域内のワクチン接種を促進する狙いがある。
営業を停止しているバーやパブについては、従業員と来店客全員がワクチン接種済みであることを条件に段階的な営業再開を認めるとした。接種者であれば公立病院や介護施設の訪問も可能になる。
政府は詳細を詰めており、4月29日からの制限緩和を目指していると説明した。コロナワクチンを2回接種した市民のみが対象となる。
香港は2月にコロナワクチン接種プログラムを開始したが、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)のワクチンへの不信感や副作用への懸念があるため、ワクチン普及率は人口750万人の約8%にとどまっている。3月には独ビオンテックのワクチンも導入され、1日当たりの接種予約数はシノバック製を大幅に上回っている。
林鄭氏は「ワクチン普及率の上昇が望ましい。現在は満足できる水準にない」と述べた。
オーストラリアなどの低リスク国からの渡航者がワクチン接種済みであれば隔離期間を現在の14日間から7日間に減らし、中程度のリスクの国々についても隔離期間を21日間から14日間に短縮することが可能とした。ただ、変更がいつになるかはまだ分からないと述べた。