[香港 13日 ロイター] - 香港の林鄭月娥行政長官は13日、選挙制度見直しのための条例改正案を発表した。選挙区の区割り見直しや白票呼び掛けの禁止などが盛り込まれ、親中派候補を優遇する措置だと批判が上がっている。
林鄭氏は、選挙委員会のメンバーを決める選挙を9月19日に行うことも発表した。選挙委は行政長官や立法会(議会)の議員90人中40人を選ぶ。立法会選挙は12月19日、行政長官選挙は来年3月27日に実施する。林鄭氏が再選を目指すかは不明。
選挙制度見直し案は14日に立法会で審議するが、多くの民主派議員が昨年、同僚議員の資格剥奪に抗議して辞職したため、立法会は野党不在となっている。
香港の選挙制度を巡っては、中国が3月、立法会の議席のうち直接選挙で選ぶ枠を減らし、中国が承認する当局者が占める議席を増やすなどの変更を発表。立候補者が「愛国者」かどうか審査する委員会も設置するとした。
ただ中国は、選挙日程や区割りの見直しなど細かい詳細は香港当局の立法手続きにゆだねていた。
林鄭氏は、審査を受けた候補者が出馬できる選挙区を10に増やし、各選挙区からそれぞれ2人を選出する案を発表した。従来は5選挙区から計35人を選出していた。
アナリストは区割り見直しについて、本土との境界に近い地方や香港島東部で親中派に有利になる可能性があるとの見方を示した。
条例改正案によると、白票や無効となる抗議票の投票を呼び掛けて選挙を「操作」する行為や、他人の投票を妨害する行為は違法となる。