[東京 14日 ロイター] - 加藤勝信官房長官は14日午後の会見で、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、日本政府による福島第1原子力発電所処理水の海洋放出決定を巡り、国際海洋法裁判所提訴に向けた方法を検討するよう指示したとされる問題について、コメントは控えると答えた。その上で関係国に丁寧に説明していくとの方針を繰り返した。
加藤官房長官は提訴に関し、韓国政府から日本政府に対して通知が行われておらず「コメントは控える」とした。国際的なルールや国内法を順守して処理水の放出を行っていくとし、その際に韓国を含めた関係各国に丁寧に説明すると語った。
一方、政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長が、14日の衆院内閣委員会で「いわゆる第4波と言って差し支えない」と述べたことに関連し、加藤官房長官は感染状況について「全国的に大きなうねりとなっているものではない」と表明。政府として直ちに緊急事態宣言の発令を検討する段階ではないとの立場をにじませた。
同時に加藤官房長官は、大阪府など感染が拡大している地域に対しては「強い警戒感を持って対応するべきである」とも述べた。
(田巻一彦)