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豪大学に中国検閲の影響、国際人権団体が報告書

発行済 2021-06-30 11:37
更新済 2021-06-30 11:45

[シドニー 30日 ロイター] - 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は30日、オーストラリアの大学に在籍する多くの中国人学生が自己検閲の雰囲気をつくっており、講師が中国政府への批判を避けたり、中国人学生が嫌がらせを恐れて沈黙したりしているとの報告書を公表した。

それによると、中国本土にいる一部の親がオーストラリアにいる学生の活動について中国警察から質問を受けたり、香港警察が民主派活動について帰国した学生に尋ねたりするケースもあった。

また、新型コロナウイルス流行で各大学がオンラインコースを採用し、中国人学生が中国のインターネット検閲システム「防火長城(グレート・ファイアウォール)」の背後から講義に参加する中、自己検閲が悪化しているという。

報告書を執筆したソフィー・マクニール氏はロイターに対し、こうした傾向は「オーストラリアの学問の自由を損なっている」と指摘。具体的には、あるオンラインコースで天安門事件への言及が削除された事例があったという。

豪大学でつくる団体「ユニバーシティーズ・​オーストラリア」は、各大学は学問の自由にコミットしており、「強要や威嚇を受けている学生や職員がいれば所属大学に訴える」べきだとした。

タッジ豪教育相は報告書について、「深く懸念している問題」を提起したと指摘。諜報・安全保障問題を扱う議会委員会からの助言を得たいとし、「外国組織によるキャンパスへのいかなる干渉も容認できない」とする声明文を出した。

在豪中国大使館は「ヒューマン・ライツ・ウォッチは発展途上国を攻撃・中傷するための西側の政治的な道具に堕している。中国に対して常に偏見を抱いている」とした。

新型コロナ危機以前は、オーストラリアで学ぶ留学生全体のうち、4割は中国人で、大学の全学生に対する割合は1割となっていた。大学セクターの収入のうち、留学生が占める割合は約3分の1となっていた。

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