[レスボス島(ギリシャ) 5日 ロイター] - ローマ教皇フランシスコは5日、訪問したギリシャのレスボス島で、移民を政治目的に利用する行為を糾弾し、こうした搾取に対する世界的な無関心は「文明の難船」だと述べた。レスボス島は欧州移民の主要な流入口の一つ。
約2300人が収容されている難民キャンプを訪問した教皇は、歩きながら難民らとあいさつを交わし、アフリカ人の少年とハイタッチするなどした。2016年に初めてこの施設を訪れた際にはシリア人難民12人をイタリアに連れて戻った経緯があり、当時から「ほぼ何も変わっていない」と嘆いた。
教皇は「この文明の難船を食い止めよう」と呼び掛け、反移民の人々は貧民の搾取や戦争、兵器産業について「平等な熱意を持って話していない」と述べた。
さらに、「結果を引き受けさせられ、政治プロパガンダに利用されている貧民でなく、その遠因こそが糾弾されるべき」と述べた。