[ワシントン 23日 ロイター] - 米司法省は、中国による知的財産窃盗などに対抗する目的でトランプ前政権時代に導入されたプログラムを23日に打ち切り、より幅広い敵対的国家による脅威に照準を移す。
2018年に始まったこのプログラムで司法省は、米大学教授が政府の助成金を申請する際に中国との資金面のつながりを開示したかなどを巡り広範囲に及ぶ調査を実施。人権団体や一部議員から、人種による分析などと批判が上がっていた。
オルセン米司法次官補(国家安全保障担当)は講演で「中国、ロシア、イラン、北朝鮮などが悪質な活動の能力を高め、一段と攻撃的になっている」と指摘。「新戦略は脅威主導型になる」と述べた。
また、講演前に記者団に対し、中国を標的としたプログラムは「一つの国を取り上げることで近視眼的なアプローチにつながった。これは脅威の状況を真に反映しているとは思えない」と語った。
このプログラムでは、昨年12月に有罪評決を受けたハーバード大学のチャールズ・リーバー教授など少なくとも20人の研究者が罪に問われたが、証拠や根拠が不十分として退けられた訴訟も複数あった。