[ウィーン 3日 ロイター] - 2015年のイラン核合意再建に向けた協議は大詰めを迎えたもようだが、関係者の間では最終決着するかどうか予断を許さないとの声が広がっている。
米国務省のポーター副報道官は3日、「われわれは可能な合意に近づいている」と語った。ただ未解決の問題は残っており、イランの核開発進展状況を踏まえると時間との勝負になるとの見方も示した。
ロイターが確認した国際原子力機関(IAEA)の最新報告によると、イランによる濃縮度を60%まで高めたウランの保有量はほぼ倍増して33.2キロとなっている。ある外交関係者によると、これはさらに濃縮度を高めた場合、核兵器製造に必要な量の4分の3前後に達するという。
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに原油価格が高騰しているため、より多くのイラン産原油が市場に供給される道が開かれるという面で、核合意再建への期待も強まっている。
しかしロシアのウリヤノフ在ウィーン国際機関代表は「詰めるべき幾つかの懸案がある。残っている問題は比較的小さいものの、なお決着していない」と指摘した。
ウリヤノフ氏は記者団に、現時点で協議が決裂するとは考えておらず、近く閣僚級会合が開かれる公算が大きいと語ったが、具体的にいつになるかは言えないと付け加えた。
イラン外務省の報道官も、さらに協議が必要になると発言。あるホワイトハウス高官は、今も最も難しい問題をクリアするため全関係者が取り組み続けていると述べた。
協議を仲介している欧州連合(EU)のモラ主席調整官はツイッターに「成功は決して保証されていない。われわれがその地点に到達していないのは間違いない」とくぎを刺した。