[ジュネーブ 13日 ロイター] - 国連のバチェレ人権高等弁務官(70)は13日の人権理事会で、再選を目指さず、1期目の任期が終わる8月に退任する意向を突然明らかにした。「国に戻って家族と過ごす」と述べ、退任は個人的理由とした。5月の中国新疆ウイグル自治区訪問との関係は否定してみせた。
バチェレ氏はチリの元大統領。演説で「(世界各地の人権状況について)私が説明するのは今会期が最後になる」と述べた。表明は予想されておらず、会場ではざわめきが広がった。演説後には記者団に、退任は約2カ月前、つまり中国訪問前に決めていたと語り、その時点でグテレス国連事務総長に既に意向を伝えていたと説明。「だから中国訪問とは関係ない」と述べた。同自治区を巡る報告書の公表が遅れていることについては、退任までに公表する考えを示した。
少数民族ウイグル族への人権侵害が懸念されるウイグル自治区への訪問では、実態に迫る調査は実施できなかった。米国など一部西側諸国や人権団体などから、中国政府の宣伝に利用されただけだと批判もされた。高等弁務官の任期は4年。