[リビウ 15日 ロイター] - ウクライナの西部リビウ州と北西ボリーニ州がロシアによる大規模な空爆を受け、地元当局者によると少なくとも3人が死亡し、負傷者が出ている。
ボリーニ州の行政中心地ルーツクで企業が攻撃され、3人が死亡、数人が病院に搬送された。
スウェーデンのベアリング大手SKFは、ルーツクの工場が14日遅くにミサイル攻撃を受け、従業員3人が死亡したことを明らかにした。ウクライナの同社従業員は約1100人で大半がルーツク工場に勤務しているという。
リビウ州のコジツキー知事によると、同州では15人が負傷。リビウ市と周辺地域で6発のミサイルが数十棟の建物と幼稚園の遊び場を破壊した。
リビウ市のザドビー市長は、多くのミサイルを撃墜したものの、一部が撃ち込まれたとメッセージアプリで述べた。少なくとも集合住宅1棟で火災が起き、避難指示が出ているという。
攻撃の規模や被害の全容は不明だが、ウクライナのメディアは、暫定的な情報として、15日の攻撃はリビウ州への空爆としては2022年2月の侵攻開始以来、最大規模と報じた。
リビウ州とボリーニ州はポーランドと国境を接する。リビウ市は7月に住宅地へのミサイル攻撃で7人が死亡するまで、ロシアによる空爆が少なく、比較的安全な地域とみられていた。一部の政府機関は同市に移転し、国際的なNGO(非政府組織)も同市を拠点にしている。
国連のブラウン人道調整官は「ロシアは人口密集地で必要不可欠なインフラへの攻撃を続けており、人々に多大な苦しみをもたらしている」と表明した。
南東部のドニプロ市でも少なくとも2人が負傷。ドニプロペトロウシク州のリサク知事によると、企業とスポーツ施設が攻撃を受けた。
シュミハリ首相は15日の攻撃では8地域で学校や病院など民間インフラに被害が出たと指摘。空軍は少なくとも28発の巡航ミサイルが撃ち込まれ、16発を撃墜したと発表した。