David Brunnstrom
[ワシントン 26日 ロイター] - オーストラリアのアルバニージー首相は26日、このほど選出されたジョンソン米下院議長との会談で、米国と英国、オーストラリアによる安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」について、米議会による年内の関連法案の可決を期待していると表明した。
米国からオーストラリアへの原子力潜水艦売却や、核動力技術供与などを柱とするAUKUSは、オーストラリアにとって過去最大規模の国防プロジェクトで、インド太平洋地域で影響力を強めている中国に対抗する狙いがある。
ただ米議会は新年度予算を巡る与野党対立や、共和党の「内紛」に伴う下院議長選出の遅れなどで、ここ数週間は法案審議が停滞。複数のオーストラリア政府高官が、AUKUSを進めるために必要な法制度の承認が遅れることへの懸念を示していた。
バイデン大統領は25日のアルバニージー氏との会談で、与野党ともにAUKUSの戦略的価値は認識していると伝え、米議会に関連法案を年内に可決するよう促した。
この問題でジョンソン下院議長はコメントしていない。ただオーストラリアとの友好促進を目指す米議員グループの共同座長を務める民主党のジョー・コートニー氏は、ジョンソン氏が今会期の優先審議項目の一つにAUKUS関連法案を含めた国防権限法を掲げたことに「勇気づけられた」と語った。