Alexandra Ulmer
[ラスベガス 28日 ロイター] - 米大統領選に向けた共和党ユダヤ人連合(RJC)の政治献金集会が28日、ネバダ州ラスベガスで約1500人を集めて開催され、候補指名を狙うトランプ前大統領やヘイリー元国連大使、フロリダ州知事のデサンティス氏がいずれもイスラム組織ハマスの駆逐を図るイスラエルに揺るぎない支持を表明した。
イスラエルはパレスチナ自治区ガザに空爆を行い人権団体の批判が高まっているものの、トランプ氏は「米国はためらいなく無条件に、何ら釈明なしにイスラエルを100%支持する」と発言。聴衆の歓呼に応えた上で、イランに制裁を課し、米大学内のパレスチナ支持のデモに断固とした措置を取る考えを示した。
ただ、トランプ氏は今月初め、イスラエルにとって長年の敵であるレバノンの民兵組織ヒズボラを「非常に賢い」と話し、さらにハマスによる7日の急襲についてネタニヤフ首相に「備えがなかった」と批判。このためイスラエルから非難を浴びた。その後は自分が大統領だった時ほど「イスラエルにとって良い友人、同盟国はなかった」と弁明する経緯があった。
強硬な外交姿勢を公約に掲げるヘイリー氏は共和党の孤立外交主義を批判し「今日ウクライナを見捨てるような人は明日イスラエルを見捨てる恐れがある」と発言した。さらに、トランプ政権で国連大使を務めた経験からトランプ氏批判のトーンを上げて「過去にしたことをわれわれ全員が知っている。疑問はこうだ。『彼は将来何をする気なのか』。4年間にわたる混沌や確執、大騒ぎはあり得ない」と付け加えた。
ヘイリー氏と支持を争っているデサンティス氏はトランプ氏のあら探しはせず、イスラエル支援を誓った。
共和党の候補指名争いは2024年1月15日にアイオワ州で開かれる党員集会が初戦。トランプ氏は現在、相次ぐ小口献金を追い風に選挙戦を圧倒的にリードしている。
RJC自体は共和党予備選で特定候補に献金しないが、本選挙では、民主党候補として有力なバイデン大統領と対決する共和党候補に積極的に資金を投入する。
RJCのマット・ブルックス最高責任者(CEO)はロイターのインタビューで「前回の大統領選があった20年、われわれはトランプ氏がユダヤ人票で過去最大のシェアを獲得できるよう1000万ドルを超える資金を集めて拠出した。今度の大統領選でも共和党候補には、それ以上ではないにしても、同じことをしようと計画している」と話した。
ブルックス氏はRJCを通じて献金した支持者がRJCとは別に計5000万―6000万ドルを拠出したと述べた。