日経平均は3日続伸。
93.76円高の27085.97円(出来高概算6億1084万株)で前場の取引を終えている。
4日の米株式市場でダウ平均は825.43ドル高(+2.79%)と大幅続伸。
債務健全性への懐疑的見方から売られていた金融のクレディスイス株が持ち直したことで市場混乱の警戒感が後退。
欧州からの流れを引き継いだ買いが先行して米株市場も上昇スタート。
また、8月求人件数(JOLTS)の予想以上の大幅減少を受けて大幅利上げ継続観測が緩和。
長期金利の軟化も手伝い、さらなる上昇に繋がった。
ナスダック総合指数も+3.33%と大幅に続伸。
日経平均は219.11円高と27000円を回復してスタート。
ただ、連日の急伸の反動のほか、時間外取引のダウ平均先物が軟化したこともあり、寄り付き直後を高値に失速。
その後は心理的な節目をサポートに底堅さも見られたが、こう着感の強い展開が続いた。
個別では、ソフトバンクG (TYO:9984)、信越化学 (TYO:4063)、キーエンス (TYO:6861)、SMC (TYO:6273)、HOYA (TYO:7741)など主に値がさ株の上昇が目立った。
ファーストリテ (TYO:9983)は9月既存店売上の堅調さも好感されたようだ。
村田製 (TYO:6981)、TDK (TYO:6762)、新光電工 (TYO:6967)のハイテクが全般堅調。
材料処では、旧村上ファンド系による大量保有が判明したアークランズ (TYO:9842)が急伸。
9月既存店売上の好調が評価されたABCマート (TYO:2670)も大幅に上昇。
目立った動きではないが、上半期決算の堅調さが確認されたウエルシアHD (TYO:3141)、半導体装置新工場の建設報道が伝わったキヤノン (TYO:7751)も買い優勢。
一方、レーザーテック (TYO:6920)、東エレク (TYO:8035)、スクリン (TYO:7735)、三井ハイテック<
6966>などの半導体関連の一角が軟調。
為替が対ドルでやや円高方向に振れていることでトヨタ自 (TYO:7203)、三菱自 (TYO:7211)なども弱含み。
エスプール (TYO:2471)は6-8月期の営業減益が嫌気されて急落。
イオンモール (TYO:8905)も決算が売り材料視された。
良品計画 (TYO:7453)は既存店売上の軟調継続を受けて下落した。
セクターでは精密機器、保険、繊維製品が上昇率上位となった一方、食料品、陸運、医薬品が下落率上位となった。
東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の57%、対して値下がり銘柄は38%となっている。
本日の日経平均は27000円を回復してのスタートで3日続伸となっているものの、寄り付き直後を高値にその後は失速。
チャートでは、26週移動平均線をはじめ、200日、75日、25日など主要移動平均線が集中する27200~27400円レンジ手前で失速しており、セオリー通りの綺麗上昇一服となっている。
日足ベースの一目均衡表では、厚い雲のレンジ下限の手前でもあり、この水準は強力な上値抵抗帯として作用しそうだ。
前日は、豪中央銀行が0.25ptと、予想(0.5pt)に反して利上げ幅を縮小させたほか、上述の米8月求人件数(JOLTS)の想定上の減少もあり、俄かに再び台頭してきた米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げへの思惑がより強まる形となった。
しかし、今週に入ってからも、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁などのFRB高官らは引き続きインフレ抑制のためにやり残していることが多くあること、今後も粘り強く金融引き締めを続けていく必要性などを主張している。
ブレイナードFRB副議長が、金融引き締めが与えるリスクとして国境を超えた脆弱性の波及などに言及していることを、ハト派色と捉える向きもいるようだが、同氏は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以前から同様のことを既に発言しており、目新しさはない。
前日の当欄での指摘の繰り返しにはなるが、FRBはインフレ抑制のために景気減速を引き起こすと公言しており、それは9月FOMCで公表された経済成長見通しからも明らかだ。
そこでは、今年だけでなく、来年も潜在成長率を大きく下回る成長を想定していることが分かっている。
それ故、一昨日の米9月サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数の低下などがFRBの利下げ転換への期待を高めるなどというロジックは冷静に考えれば非合理的である。
むしろ、FRBはこうした景気減速を望んですらいるだろう。
7月半ばからの約1カ月に亘るベアマーケットラリー(弱気相場下での一時的な株価上昇)の際もそうだったが、市場が勝手にFRBの利下げ転換を期待したことが株価反発の背景であった。
今回も同様で、市場の思惑が先走っているに過ぎない。
同様の期待を抱いているのは、前回ラリー時と同じ層と思われ、多くの投資家は今回も一時的なラリーに過ぎないと考えているだろう。
たしかに、国際連合(UN)による各国中銀への利上げ停止要請や、物価指標だけでなく雇用指標でも軟化を示唆するデータが確認されたこと、また豪中銀による利上げ幅縮小などがあることは、前回ラリー時とは異なる点として挙げられる。
しかし、これがFRBの利下げ転換に繋がるかと考えれば、やはり市場が勝手に先走っている感が否めない。
むろん、投資家には様々な時間軸や目的を持った投資家がいるわけで、したがって、実際に利下げ転換に繋がるか否かは関係なく、一時的にこうした思惑に基づいた投資家の動きが市場を左右することは否定できない。
しかし、長い目でみれば歪みはいつか是正される。
今回も、今週末の米9月雇用統計、もしくは来週の米9月物価指数やFOMC議事録の公表あたりで修正を迫られる可能性が高いのではないだろうか。
(仲村幸浩)
93.76円高の27085.97円(出来高概算6億1084万株)で前場の取引を終えている。
4日の米株式市場でダウ平均は825.43ドル高(+2.79%)と大幅続伸。
債務健全性への懐疑的見方から売られていた金融のクレディスイス株が持ち直したことで市場混乱の警戒感が後退。
欧州からの流れを引き継いだ買いが先行して米株市場も上昇スタート。
また、8月求人件数(JOLTS)の予想以上の大幅減少を受けて大幅利上げ継続観測が緩和。
長期金利の軟化も手伝い、さらなる上昇に繋がった。
ナスダック総合指数も+3.33%と大幅に続伸。
日経平均は219.11円高と27000円を回復してスタート。
ただ、連日の急伸の反動のほか、時間外取引のダウ平均先物が軟化したこともあり、寄り付き直後を高値に失速。
その後は心理的な節目をサポートに底堅さも見られたが、こう着感の強い展開が続いた。
個別では、ソフトバンクG (TYO:9984)、信越化学 (TYO:4063)、キーエンス (TYO:6861)、SMC (TYO:6273)、HOYA (TYO:7741)など主に値がさ株の上昇が目立った。
ファーストリテ (TYO:9983)は9月既存店売上の堅調さも好感されたようだ。
村田製 (TYO:6981)、TDK (TYO:6762)、新光電工 (TYO:6967)のハイテクが全般堅調。
材料処では、旧村上ファンド系による大量保有が判明したアークランズ (TYO:9842)が急伸。
9月既存店売上の好調が評価されたABCマート (TYO:2670)も大幅に上昇。
目立った動きではないが、上半期決算の堅調さが確認されたウエルシアHD (TYO:3141)、半導体装置新工場の建設報道が伝わったキヤノン (TYO:7751)も買い優勢。
一方、レーザーテック (TYO:6920)、東エレク (TYO:8035)、スクリン (TYO:7735)、三井ハイテック<
6966>などの半導体関連の一角が軟調。
為替が対ドルでやや円高方向に振れていることでトヨタ自 (TYO:7203)、三菱自 (TYO:7211)なども弱含み。
エスプール (TYO:2471)は6-8月期の営業減益が嫌気されて急落。
イオンモール (TYO:8905)も決算が売り材料視された。
良品計画 (TYO:7453)は既存店売上の軟調継続を受けて下落した。
セクターでは精密機器、保険、繊維製品が上昇率上位となった一方、食料品、陸運、医薬品が下落率上位となった。
東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の57%、対して値下がり銘柄は38%となっている。
本日の日経平均は27000円を回復してのスタートで3日続伸となっているものの、寄り付き直後を高値にその後は失速。
チャートでは、26週移動平均線をはじめ、200日、75日、25日など主要移動平均線が集中する27200~27400円レンジ手前で失速しており、セオリー通りの綺麗上昇一服となっている。
日足ベースの一目均衡表では、厚い雲のレンジ下限の手前でもあり、この水準は強力な上値抵抗帯として作用しそうだ。
前日は、豪中央銀行が0.25ptと、予想(0.5pt)に反して利上げ幅を縮小させたほか、上述の米8月求人件数(JOLTS)の想定上の減少もあり、俄かに再び台頭してきた米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げへの思惑がより強まる形となった。
しかし、今週に入ってからも、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁などのFRB高官らは引き続きインフレ抑制のためにやり残していることが多くあること、今後も粘り強く金融引き締めを続けていく必要性などを主張している。
ブレイナードFRB副議長が、金融引き締めが与えるリスクとして国境を超えた脆弱性の波及などに言及していることを、ハト派色と捉える向きもいるようだが、同氏は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以前から同様のことを既に発言しており、目新しさはない。
前日の当欄での指摘の繰り返しにはなるが、FRBはインフレ抑制のために景気減速を引き起こすと公言しており、それは9月FOMCで公表された経済成長見通しからも明らかだ。
そこでは、今年だけでなく、来年も潜在成長率を大きく下回る成長を想定していることが分かっている。
それ故、一昨日の米9月サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数の低下などがFRBの利下げ転換への期待を高めるなどというロジックは冷静に考えれば非合理的である。
むしろ、FRBはこうした景気減速を望んですらいるだろう。
7月半ばからの約1カ月に亘るベアマーケットラリー(弱気相場下での一時的な株価上昇)の際もそうだったが、市場が勝手にFRBの利下げ転換を期待したことが株価反発の背景であった。
今回も同様で、市場の思惑が先走っているに過ぎない。
同様の期待を抱いているのは、前回ラリー時と同じ層と思われ、多くの投資家は今回も一時的なラリーに過ぎないと考えているだろう。
たしかに、国際連合(UN)による各国中銀への利上げ停止要請や、物価指標だけでなく雇用指標でも軟化を示唆するデータが確認されたこと、また豪中銀による利上げ幅縮小などがあることは、前回ラリー時とは異なる点として挙げられる。
しかし、これがFRBの利下げ転換に繋がるかと考えれば、やはり市場が勝手に先走っている感が否めない。
むろん、投資家には様々な時間軸や目的を持った投資家がいるわけで、したがって、実際に利下げ転換に繋がるか否かは関係なく、一時的にこうした思惑に基づいた投資家の動きが市場を左右することは否定できない。
しかし、長い目でみれば歪みはいつか是正される。
今回も、今週末の米9月雇用統計、もしくは来週の米9月物価指数やFOMC議事録の公表あたりで修正を迫られる可能性が高いのではないだろうか。
(仲村幸浩)