執筆:Daniel Shvartsman
Investing.com -- 原油価格が安定しつつ、FRBが景気減速に関心を示さないという状況下、火曜日に株式市場は有望なスタートを切ったもののその後リスク資産は軟調に推移し下落に転じた。
S&P 500は2%下落の3822、ダウ工業株30種平均は1.6%、ナスダック総合株価指数は最大の打撃を受け3%それぞれ下落した。火曜日の取引ではインフレと経済成長の足踏みへの懸念が優勢であったことを示している。
相場への強気の希望に打撃を与えたのは、インフレ抑制のための利上げ政策の継続にFRBがコミットしたことだ。サンフランシスコ連銀のDaly総裁によるリンクトインとのインタビューで「多くの人が、FRBは積極的に行動しすぎて、経済を後退させるかもしれないと心配している。私自身は、抑制されないまま放置されたインフレのほうが、米国経済とその継続的な拡大にとって大きな制約と脅威になると懸念している」と発言した。 ニューヨーク連銀のWilliams総裁とセントルイス連銀のBullard総裁は、別々のインタビューで同氏の発言に同意した。
WTI原油は僅かに上昇し、ブレント原油先物は本日2%以上上昇した。原油は、湾岸産油国が「最大生産量」に達しているというレポートが発表され、つまり供給がこれ以上は増えないとの懸念から、原油価格は急騰したのである。
また、消費者信頼感が市場参加者の間で疑問視されている中、Conference Board(米国民間経済調査機関)の消費者信頼感指数は予想を下回り、米国でのコロナワクチン供給前に逆戻りして15ヶ月ぶりの低水準となり、インフレがいかにセンチメントの悪化に重くのしかかっているかが再確認される形となった。
ナイキ (NYSE:NKE) は、モルガンスタンレーが「振り戻しとなった四半期」と呼んだ、悲観的に受け取られた決算発表の後、約7%の下落となり、大幅な下落株のひとつとなった。Etsy(NASDAQ:ETSY)は2日連続して大きく下落して8.2%安となり、また半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)は6.2%安となった。
エネルギー株が2日連続で最大の上げ幅となり、Hess(NYSE:HES)は5.6%高でS&P500を牽引した。ウォーレン・バフェット氏の会社バークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRKa)がオクシデンタル社の持ち株を追加し、16%超になったというニュースが流れた後、同社(NYSE:OXY)は4.8%高となった。
WideOpenWest Inc(NYSE:WOW)は、Global Infrastructure Partners社が同社の買収を検討しているという報道を受けて2%上昇した。数週間前にはMorgan Stanley Infrastructure Partnersが同社買収の交渉中であると報道されていた。
暗号資産では一般的なリスク回避売りがみられ、米東部時間午後4時現在、ビットコインは2.9%低下の20260ドル、イーサリアムは3.3%の値下がりとなった。米国債10年物利回りはほぼ横ばいで、この日0.07%下落の3.187%、外国為替EUR/USDは0.53%下落の1.0527となった。