新型コロナウイルスの懸念がひと段落する中、株式市場は大きく値を上げている。現在、新型コロナウイルスの打撃を大きく受けたセクターに、関心の目が向けられている。
米国経済が再開されるにつれて、景気敏感株に資金が集中している。つまり、航空会社や小売業、エネルギー企業など、ロックダウン中にアンダーパフォームしていた銘柄が反発しているのだ。
以下では今後上昇の可能性がある3銘柄を紹介する。
1. リフト
新型ウイルスの影響で人々は外出を控え、ライドシェアビジネスは大打撃を受けた。
しかし、外出制限が緩和され、再びライドシェアが利用されるようになっている。リフト (NASDAQ:LYFT)は先週、5月の利用者数が前月比26%増となったことを発表した。
6月5日、同株は約7%高の38.61ドルで取引を終え、3月の安値からほぼ2倍となっている。また、一部のアナリストのよると、同株にはさらなる上昇の余地があるという。
SunTrust Robinson社のYoussef Squali氏は、リフトのビジネスは今後も改善されていくだろうと述べ、同株を「買い」とした上で目標株価を49ドルに設定した。さらに、「特にリフトの利用者が多い西海岸では規制がさらに緩和されており、夏にかけて業績は加速するだろう」と記した。
2.シェブロン
新型ウイルスが原油過剰を引き起こし、原油価格は崩壊した。
しかし、産油国による2カ月間の大規模な協調減産の後、原油価格は反発している。これを受け、OPECプラスは6日、7月まで減産を延長することを決定した。
大手石油メジャーの中でも、シェブロン (NYSE:CVX)は景気後退に上手く対処できると考えられる。競合のエクソン・モービル (NYSE:XOM))とは異なり、同社は昨年末に天然ガス保有量を大幅に削減しており、景気後退への備えができている。
そのため、シェブロンはエリクソンを上回って3月の安値から反発している。5日に100.81ドルとなったエリクソンは年初来で16%安となっており、配当利回りは5.36%となっている。
3.クアルコム
現在の不景気の中、半導体銘柄が値を上げている。在宅勤務が増加する中、クラウドやゲーム業界に後押しされ、半導体需要が急増している。
しかし、米中対立が緊迫化や在宅勤務の減少などが予想される中、多くの半導体メーカーは見通しが不透明である。
しかし、シティグループのアナリストは、クアルコム (NASDAQ:QCOM)の5G技術に注目している。
「同社の持つ先進的な5G技術は、2020年下半期に同社に恩恵をもたらすだろう」とアナリストのChristopher Danely氏は語った。
Rosenblatt Securities社のアナリストであるKevin Cassidy氏は、デバイスをネットワークへ接続するための半導体を製造するクアルコムにとって、5Gへの移行は追い風となると述べた。同社の目標株価は、現在の株価である88.55ドルを19%以上上回る、105ドルに設定されている。
また、Rosenblatt社のCassidy氏は、「クアルコムは5Gの恩恵を受けるだけでなく、5Gの市場をリードしていくだろう」と語った。