[デトロイト 25日 ロイター] - 米ゼネラル・モーターズ(GM) (N:GM)と全米自動車労働組合(UAW)の労使交渉は、新たな協約締結に向けて前進している。ただ、勤続年数が比較的短い従業員の賃金や臨時従業員の雇用保障など主要問題では、解決に向けた厳しい交渉が続いている。複数の関係者が25日、明らかにした。
GMのおよそ4万8000人の工場従業員が加盟するUAWのテリー・ディッテス副委員長は、25日夜の声明で組合員に対し「全ての未解決問題が交渉のテーブル上にあり、GMに提起されている」と説明。「現在、回答を待っている状況で、こうしたやり取りは交渉が完了するまで続く」と語った。
関係者によると、解決すべき主要な問題が複数残っている。25日夜にはさらなる協議が行われる予定だが、同日中の合意はない見込みという。
UAWに加盟するGMの工場従業員は前週、賃上げや雇用保障の拡大などを求めてストに突入した。
アナリストらによると、ストはGMに1日当たり約1億ドルの損失を与えている。
IHSのアナリスト、ジョー・ラングレー氏は25日、ストが2週間続いた場合、GMの生産は約7万台減少する可能性があるとし、短期的にこの減少分を補うのは困難になるとの見方を示した。
関係者によると、未解決の主要問題には、勤続年数の短い従業員の賃金が、給与体系で最高の時給約31ドルに到達するのにかかる年数などが含まれるという。現在は8年かかり、UAWは期間短縮を求めている。
このほか、臨時従業員にとって、正規雇用への道が閉ざされていることや、休暇などの権利がほとんどないことも問題視されている。