ボストン-バーテックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド（NASDAQ:VRTX）はこのほど、1型糖尿病（T1D）に対する幹細胞由来膵島細胞治療薬VX-880の臨床試験から有望な結果を発表した。米国糖尿病学会第84回学術集会で発表されたデータでは、血糖降下障害および重症血糖降下イベント（SHE）を有する患者において有意な改善が認められた。
本試験では、12名の患者がVX-880を全量投与された。注入後90日目までに、参加者全員に膵島細胞移植の兆候が見られ、グルコースレベルに反応するインスリンの産生が始まった。驚くべきことに、全例が米国糖尿病学会が推奨するヘモグロビンA1c（HbA1c）値7.0％未満を達成し、血糖値も70％以上が目標範囲内に維持された。さらに、12人の患者のうち11人は、外部からのインスリン投与の必要性を著しく減少させたか、完全に中止した。
少なくとも12ヵ月の追跡調査を受けた3人の患者が、SHEsの消失とHbA1c値の7.0％未満維持という主要評価項目を達成し、副次的評価項目であるインスリンの自立も達成した。
試験の安全性プロファイルは良好で、ほとんどの有害事象の重症度は軽度または中等度であった。重要なことは、VX-880に関連した重篤な有害事象がなかったことである。本試験は、バーテックス社がピボタル開発段階に移行するのに伴い、参加者を約37名に拡大する予定である。
VX-880は同種細胞療法で、ドナー細胞由来であることを意味し、グルコース応答性インスリン産生を含む膵島細胞機能を回復させるように設計されている。この治療法は肝門脈に注入され、免疫拒絶反応を防ぐために慢性的な免疫抑制剤を必要とする。
バーテックスの現在進行中の研究は、膵臓のインスリン産生細胞が自己免疫的に破壊されることによりインスリン産生が不足し、血糖値の管理が困難になるT1Dに対して、治癒の可能性のある治療法を提供することを目的としている。
本試験の良好な結果は、VX-880がT1D治療における大きな前進となる可能性を示唆しており、患者にとってより良い疾患管理とQOLの向上が期待できる。VX-880は、この革新的な治療法の臨床および研究プログラムを推進することで、重篤な疾患におけるイノベーションに取り組んでいきます。本レポートはプレスリリースに基づくものです。
その他の最近のニュースとして、バーテックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッドは、2024年第1四半期の売上高が前年同期比13％増の27億ドルに達したと発表した。この成長は、鎌状赤血球症およびβサラセミアにおけるCASGEVYの上市が複数の地域で成功したことによるものです。バーテックスはまた、嚢胞性線維症治療薬TRIKAFTA®の2つの試験から有望な結果が得られ、大きく前進しました。
アナリストの評価では、RBCキャピタルはセクター・パフォームのレーティングを維持したが、ロイヤリティ紛争が同社のマージンに与える潜在的な影響を考慮し、バーテックスの目標株価を424ドルから421ドルに調整した。BMOキャピタル・マーケッツは、疼痛管理におけるバーテックスの将来性を評価し、アウトパフォームを維持したまま、バーテックスの目標株価を500ドルに引き上げた。同様に、パイパー・サンドラーは、バーテックスの2024年第1四半期の堅調な財務実績を受け、目標株価を456ドルに引き上げた。
その他の最近の動きとして、バーテックス社は第47回欧州嚢胞性線維症学会で嚢胞性線維症治療薬TRIKAFTA®に関する試験から得られた重要な知見を発表した。BMOキャピタル・マーケッツは、バーテックスが疼痛管理市場で大きなシェアを獲得する可能性に自信を示している。以上がバーテックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッドの最近の動向である。
インベスティングプロの洞察
バーテックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド（NASDAQ:VRTX）がVX-880の臨床試験を進める中、同社の財務の健全性と市場パフォーマンスは、バイオテクノロジー業界における確固たる地位を反映している。1,213億4,000万ドルという強固な時価総額を誇るバーテックスは、同セクターのヘビー級企業である。このことは、2024年第1四半期時点における過去12ヶ月間の売上高が10.61%増と目覚ましい伸びを示していることからも明らかであり、革新的な臨床への試みの中で財務基盤を拡大する能力を有していることを示している。
投資家はバーテックスの業績を注視しており、2024年第1四半期時点の過去12ヵ月間の株価収益率（PER）は30.07倍、調整後PERは28.77倍と高い。高い収益倍率での取引は割高なバリュエーションを示唆しかねないが、これはバーテックスの将来の収益ポテンシャルに対する投資家の自信、特にT1D治療薬開発における同社の躍進を反映したものでもある。さらに、同社の株価純資産倍率は6.53倍であり、これは高い方ではあるが、バーテックスの強力なファンダメンタルズとバイオテクノロジー分野におけるリーダーシップによって正当化される可能性がある。
Vertexの株価は、InvestingProのヒントである低い価格変動率で回復力を示しており、これは同社の臨床試験における着実な進展と一致している。さらに、同社のキャッシュフローは利払いを余裕で賄うことができ、流動資産は短期債務を上回っているため、Vertexが研究開発への投資を続ける中で財務の安定性をもたらしている。投資家は、Investing.com/pro/VRTXにアクセスすることで、バーテックスの財務の健全性と株式パフォーマンスについてより深い洞察を得ることができます。ProまたはPro+の購読にご興味のある方は、クーポンコードPRONEWS24をご利用いただくと、さらに10%割引となります。
VX-880のような革新的な治療薬を通じてT1Dのような深刻な疾患に取り組む同社のコミットメントは、臨床試験結果だけでなく、財務の健全性と市場評価にも反映されている。
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