[12日 ロイター] - <為替> 中国を発生源とする新型コロナウイルスの封じ込めへの期待から米株価が上昇したことでドルに買いが入り、対ユーロで約2年ぶりの高値を付けた。
中国国家衛生健康委員会は12日、中国本土で11日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は2015人、死者は97人だったと発表した。新たに確認された感染者は1月30日以来の低水準。
連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はこの日に上院銀行委員会で行った証言で、新型ウイルス感染拡大による影響が「近く」表面化する可能性を想定しているとしながらも、11年目に突入した過去最長の米経済拡大局面が持続することに改めて自信を表明。前日に下院金融サービス委員会で行った証言でも新型ウイルスの感染拡大などに対する懸念を示しながらも、米経済は良い位置にあるとし、経済見通しに対し前向きな見方を示していた。
終盤の取引でドルは対円で0.26%高の110.06円、対ユーロ (EUR=)では0.41%高の1.0869ドルと、2017年5月以来の高値を更新した。
米経済指標がユーロ圏より良好なことも対ユーロでのドル上昇要因となっている。
市場関係者はドイツで政治的な不透明感が増大していることもユーロの重しになっていると指摘。メルケル首相の後継者として最有力候補だった与党キリスト教民主同盟(CDU)のクランプカレンバウアー党首は10日、21年の選挙戦に出馬しないと表明。こうした中、この日はドイツ社会民主党(SPD)がメルケル首相が退陣に追い込まれた場合、CDUとの連立を離脱することを示唆した。
ニュージーランドドルは対米ドルで1週間ぶりの高値を更新。ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は12日、金利据え置きを決定すると同時に、経済の先行きに自信を示し、必要なら追加緩和するとの文言を声明から削除。NZドルの急伸につながった。
<債券> 国債利回りが上昇。中国で新型コロナウイルスの新たな感染者数が鈍化したことを受け、経済成長を巡る懸念が緩和し、リスク許容度が再び高まった。
終盤の取引で、10年債利回り (US10YT=RR)は4ベーシスポイント(bp)上昇の1.6299%。
投資家は安全資産である債券を売る一方、米国株など他の資産を買っているという。
ムニューシン米財務長官も12日、新型コロナウイルスの感染拡大による経済的な悪影響は一時的であり、2020年以降も続くことはないと述べた。
2年債利回り (US2YT=RR)は2.5bp上昇の1.4417%だった。
国債利回りが上昇した。中国で新型コロナウイルスの新たな感染者数が鈍化したことを受け、経済成長を巡る懸念が緩和し、リスク許容度が再び高まった。
終盤の取引で、10年債利回り (US10YT=RR)は4ベーシスポイント(bp)上昇の1.6299%。
投資家は安全資産である債券を売る一方、米国株など他の資産を買っているという。
2年債利回り (US2YT=RR)は2.5bp上昇の1.4417%だった。
<株式> 主要株価3指数がいずれも終値ベースで最高値を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化している兆しを受け、楽観ムードが高まった。
情報技術(IT)株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。終値ベースの最高値更新はS&P総合500種 (SPX)とナスダック総合 (IXIC)は3日連続、ダウ工業株30種 (DJI)は2月6日以来となった。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は12日、上院銀行委員会で証言し、新型コロナウイルスによる肺炎の影響などのリスクを注視していると述べた。 専門家は「パウエル議長は台本通りに証言した」とし、議長証言も市場の支援材料になったと指摘。「議長は景気支援のために必要であれば、行動する用意があるという安心感を市場に与えた」と語った。
S&Pの主要11セクターでは主要消費財 (SPLRCS)を除く全てが上昇。エネルギー (SPNY)、情報技術 (SPLRCT)、一般消費財 (SPLRCD)の上昇率が大きかった。
個別銘柄では配車サービス大手リフト (O:LYFT)が10.2%急落。2020年の売上高の伸びが減速するとの見通しが嫌気された。
半導体大手マイクロン・テクノロジー (O:MU)は3.5%高。UBSが投資判断を「バイ」に引き上げた。フィラデルフィア半導体株指数 (SOX)は1.4%高。
<金先物> 新型肺炎による経済への影響などを警戒した買い戻しが入り、小反発した。中心限月4月物の清算値は前日比1.50ドル(0.1%)高の1オンス=1571.60ドル。
<米原油先物> 新型肺炎をめぐる過度の警戒感が後退する中で買われ、続伸。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値は前日比1.23ドル(2.46%)高の1バレル=51.17ドル。4月物は1.24ドル高の51.41ドルとなった。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比750万バレル増と、市場予想(ロイター調査)の300万バレル増を大きく上回る積み増しとなった。一方で、ディスティレート(留出油)は200万バレル減(同60万バレル減)、ガソリンは10万バレル減(同50万バレル増)と強弱まちまちの結果となったことから、相場の反応は限られた。
ドル/円 NY終値 110.08/110.09
始値 109.95
高値 110.11
安値 109.95
ユーロ/ドル NY終値 1.0871/1.0875
始値 1.0911 (EUR=)
高値 1.0914
安値 1.0866
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 106*07.00 2.0931% (US30YT=RR)
前営業日終値 107*05.50 2.0520%
10年債(指標銘柄) 17時02分 101*00.50 1.6368% (US10YT=RR)
前営業日終値 101*14.00 1.5900%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*20.00 1.4535% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*26.75 1.4090%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.63 1.4458% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*29.38 1.4170%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 29551.42 +275.08 +0.94 (DJI)
前営業日終値 29276.34
ナスダック総合 9725.96 +87.02 +0.90 (IXIC)
前営業日終値 9638.94
S&P総合500種 3379.45 +21.70 +0.65 (SPX)
前営業日終値 3357.75
COMEX金 4月限 1571.6 +1.5
前営業日終値 1570.1
COMEX銀 3月限 1749.7 ‐10.0
前営業日終値 1759.7
北海ブレント 4月限 55.79 +1.78 (LCOc1)
前営業日終値 54.01
米WTI先物 3月限 51.17 +1.23 (CLc1)
前営業日終値 49.94
CRB商品指数 171.7626 +2.1478 (TRCCRB)
前営業日終値 169.6148
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