[6日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場では中国人民元が対ドルで上昇し、昨年12月以来の大幅な伸びとなった。中国経済の力強い回復への期待が高まってリスク資産が買われたほか、米経済指標を好感して安全資産需要が低下した。
市場では中国の景気回復観測が強まり、上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数 (CSI300)が5年ぶり高値に上昇。オフショア人民元
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「明らかに世界的なリスク選好度が改善している」とし、中国の規制当局が国内の市場参加者を後押しし、それが株式指数の大幅上昇につながっていると指摘。「少なくとも金融政策の観点からは2009年のような刺激策はないが、協調的な支援策の兆しは見られる」と述べた。
米指標に景気回復の兆候が出ていることもドル需要低下の要因。終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数 (=USD)は0.43%安の96.76。一時、6月24日以来の水準に下落した。
米供給管理協会(ISM)が6日発表した6月の非製造業総合指数(NMI)は57.1となり、4カ月ぶりの高水準を付けた。前月から大幅に持ち直し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以前の水準に迫った。
ドル相場では50日移動平均線が200日間移動平均を下回る「デスクロス」が発生し、ドル売りが強まる可能性を示唆。バンク・オブ・アメリカのアナリストによると、このパターンは1980年以降、9回発生しているが、うち8回はその後にドル安が続いたという。
マニュライフ・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、チャールズ・トメス氏は「世界経済に対するポジティブな見方を背景に、前向きな心理が定着してきたことを示している」と述べた。
<債券> 米金融・債券市場では、連休明けの取引となる中、国債利回りが小幅上昇。新型コロナウイルス禍からの将来的な景気回復への期待が引き続き材料となった。
10年債利回り (US10YT=RR)は2.5ベーシスポイント(bp)上昇し0.6956%。
今週の国債入札は、8日の10年債入札(290億ドル)などが予定されている。
ケンブリッジ・トラストの債券部ディレクター、エリック・ジュソーム氏は「国債入札を控え、ややポジション調整の動きが出ている。予想以上に好調だった雇用統計が引き続き材料になっている」と述べた。
この日の経済指標では、6月の米供給管理協会(ISM)非製造業総合指数(NMI)が57.1となり、4カ月ぶりの高水準を付けた。前月から大幅に持ち直し、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)以前の水準に迫った。
市場では、中国がコロナ後の景気回復を主導するとも期待されている。
こうした中、米国の新型コロナ感染症による死者は6日、13万人を超えた。経済再開に向けた動きに伴い国内の感染者も急増し、300万人に迫った。
2年債と10年債の利回り格差
2年債利回り (US2YT=RR)は約1bp上昇し0.1606%
<株式> 米国株式市場は大幅続伸。米国では引き続き新型コロナウイルス感染者が急増しているものの、6月の米ISM非製造業総合指数が4カ月ぶりの高水準となったことや中国の景気回復を巡る期待が市場心理を押し上げた。
米供給管理協会(ISM)が6日発表した6月の非製造業総合指数(NMI)は57.1となり、4カ月ぶりの高水準を付けた。前月から大幅に持ち直し、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)以前の水準に迫った。
プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は6月のISM非製造業総合指数は「消費者信頼感の高まりを示す」と述べた。
6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が480万人増と過去最多になるなど、一連の好調な米経済指標を受けてナスダック総合は過去最高値を更新。S&P総合500種は3月23日の安値から40%超上昇している。
一方、新型コロナ感染者は急増。ロイターの分析によると、今月に入り国内16州で1日当たりの新規感染者数がこれまでの最多を更新。フロリダ州では1日当たり1万1000人と、流行が極めて深刻だった時期に欧州各国が記録した感染者数を大きく上回っている。
個別銘柄では、インターネット通販最大手の米アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)が初めて3000ドルの大台を付けた。終値は5.8%高の3057.04ドルとなり、ナスダックとS&P500を押し上げた。
米電気自動車(EV)大手テスラ (O:TSLA)は13.5%急伸。テスラの第2・四半期の納車台数が予想を上回ったことを受け、証券各社の目標株価引き上げが相次いだ。
配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズ (N:UBER)は6%高。この日、食品宅配サービスの米ポストメイツを26億5000万ドルで買収すると発表した。
<金先物> 連休明け6日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル安などを背景に買われ、小幅続伸した。中心限月8月物の清算値は、前週末比3.50ドル(0.20%)高の1オンス=1793.50ドル。
外国為替市場では、対ユーロでドル安が進行。ドル建てで取引される金塊などの商品の割安感につながり、金が買われた。新型コロナウイルスの新規感染者が米国南部や西部を中心に急増する中、感染再拡大の懸念もくすぶり、安全資産としての金に買いが入った面もある。
ただ、米中株式相場が大幅高となる中で金を売りに出す動きもあり、相場の上値は重かった。米独立記念日の連休に続けて休暇を取る市場参加者が多く、商いも薄かった。
<米原油先物> 連休明け6日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先 物相場は、需要減退懸念や米経済指標の発表を背景に売り買いが交錯し、ほぼ横ばいとな った。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前営業日比0.02ドル(0.05%)安の1バレル=40.63ドル。9月物は0.03ドル安の40.73ドルだった。
米国の南部や西部を中心とする新型コロナウイルスの新規感染者の急増を受け、夏場のガソリン・燃料の需要が細るとの懸念が浮上。原油需要の減退を招くとの不安につながり、売りを誘った。ロイター通信によると、39州で感染が拡大しており、7月に入って15州以上で1日当たりの新規感染者数が最多を更新した。
一方で、安値圏では米経済指標の改善を好感した買い戻しが入り、下げ幅は抑えられた。米サプライ管理協会(ISM)が午前に発表した6月の米非製造業景況指数(MNI)は57.1と、前月の45.4から上昇し、市場予想の50.1も上回った。中国や米欧の株価上昇もリスク資産とされる原油相場の下値を支えしたもようだ。
ドル/円 NY終値 107.35/107.38
始値 107.56
高値 107.59
安値 107.27
ユーロ/ドル NY終値 1.1308/1.1310
始値 1.1295 (EUR=)
高値 1.1345
安値 1.1294
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*13.00 1.4398% (US30YT=RR)
前営業日終値 95*18.00 1.4330%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*16.00 0.6775% (US10YT=RR)
前営業日終値 99*18.00 0.6710%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.00 0.3006% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*24.50 0.2970%
2年債(指標銘柄) 17時01分 99*29.88 0.1586% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*30.13 0.1550%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 26287.03 +459.67 +1.78 (DJI)
前営業日終値 25827.36
ナスダック総合 10433.65 +226.02 +2.21 (IXIC)
前営業日終値 10207.63
S&P総合500種 3179.72 +49.71 +1.59 (SPX)
前営業日終値 3130.01
COMEX金 8月限 1793.5 +3.5
前営業日終値 1790.0
COMEX銀 9月限 1858.2 +26.0
前営業日終値 1832.2
北海ブレント 9月限 43.10 +0.30 (LCOc1)<0#LCO:>
前営業日終値 42.80
米WTI先物 8月限 40.63 ‐0.02 (CLc1)<0#CL:>
前営業日終値 40.65
CRB商品指数 140.8977 +0.2999 (TRCCRB)
前営業日終値 140.5978 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200706T220255+0000