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NY市場サマリー(9日)円に売り、ダウとS&P大幅高

発行済 2020-11-10 07:20
更新済 2020-11-10 07:45
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[9日 ロイター] -

<為替> ニューヨーク外為市場では、米大統領選で民主党のジョー・バイデン候補が勝利を確実にしたことに加え、ファイザー (N:PFE)が開発中の新型コロナウイルス感染症ワクチンの高い効果を発表したことで、円を売ってリスク資産を買う動きが広がった。

安全通貨と見なされる円は対ドルで最大2.2%下落し、3月以来の大幅下落となった。一方、リスク通貨と見なされる豪ドルやノルウェークローネなども上昇した。

大接戦となった米大統領選はバイデン氏が7日、勝利を宣言。新型ウイルスワクチンを巡っては、米製薬大手ファイザーがこの9日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテック (O:BNTX)と共同開発するワクチンの臨床試験(治験)で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表した。[nL4N2HU02E][nL4N2HV3XP]

TDセキュリティーズのシニア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は、「米大統領選を控え、円のロングポジションが積み上がっていた」とし、この日の円を巡る動きはこれまでの取引の巻き戻しだったと述べた。

ドルは対ユーロ (EUR=EBS)でも上昇し、0.41%高。ワクチンの実用化で米経済は速いペースで成長し、金利上昇につながるとの見方が市場で出ている。

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は、ファイザーのワクチンに関するニュースについて「リスク選好度の大幅な押し上げ要因になった」と指摘。FXストリート・ドットコムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は、金利上昇がドルの支援要因になると指摘。「米経済が好調ならドルは上昇する。新型ウイルス感染拡大が始まってからこうしたことはほとんどなかった」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数 (=USD)は0.57%高の92.695。先週は10週間ぶりの低水準となる92.12を付けていた。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが急上昇した。米製薬大手ファイザー (N:PFE)が開発する新型コロナウイルス感染症ワクチンの高い有効性が示されたことで、米経済がコロナ禍の後退局面から脱するとの楽観的な見方が広がった。

指標10年債利回りは14ベーシスポイント(bp)上昇し、3月以来の高水準。1日の上昇幅も3月以来の大きさとなった。

長短金利差は2018年2月以来の大きさに拡大。2年債と10年債の金利差は一時78.3bpを付けた。終盤は77bp。

ファイザーは9日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテック (O:BNTX)と共同開発する新型コロナ感染症ワクチンの臨床試験(治験)で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表した。[nL4N2HV3XP]

この発表を受け、安全資産である欧米の債券市場に売りが広がった。

FHNフィナンシャルのシニア金利ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏は「きょうのワクチンを巡るニュースは大きな安心感をもたらしたが、今後の展開は不明瞭だ」と指摘。「ニュース初日の債券市場の反応は妥当に見える。一方、株式市場はやや先走っている印象だ」と述べた。

米大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領が勝利を確実にしたことも債券市場の追い風となった。

バイデン氏はこの日、新型コロナの対策本部(タスクフォース)を立ち上げた。1月の就任を前に、米国が直面する危機への対応策を検討する。[nL4N2HV4KI]

午後の取引で、10年債利回り (US10YT=RR)は前週末の0.82%から0.954%に上昇。序盤には0.975%と3月以来の高水準を付けた。

30年債利回り (US30YT=RR)も一時1.767%と3月以来の高水準に上昇。終盤は1.749%。前週末は1.598%だった。

シーポート・グローバル・ホールディングスのマネジングディレクター、トム・ディガローマ氏は、10年債利回りが1%近辺、30年債利回りが1.75─1.80%近辺で押し目買いが入ると想定。30年債は「現時点でかなり売られ過ぎ」とした。

10年物インフレ指数連動債(TIPS) (US10YTIP=RR)利回りはマイナス0.743%と7月以来の高水準。終盤はマイナス0.77%。前週末はマイナス0.831%だった。

10年債と10年物TIPSの金利差(ブレークイーブン・スプレッド)は1.725%に拡大し、昨年10月以来の大きさとなった。

米財務省がこの日実施した540億ドルの3年債入札では、最高落札利回りが0.25%となった。応札倍率は2.4倍と前回の2.44倍を下回った。アクション・エコノミクスによると、4月以来の低水準だが、応札倍率の低下は入札規模の増加によるものとした。

間接入札者比率は38.9%で、19年5月以来の低水準。10月は55.7%、平均は52.2%だった。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が大幅上昇して取引を終えた。新型コロナウイルス感染症ワクチンの後期臨床試験(治験)で高い効果を示す結果が報告され、全面的な経済活動再開への期待が高まった。ただ、いずれも終値ベースでの最高値は下回った。

米製薬大手ファイザー (N:PFE)は9日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテック (O:BNTX)と共同開発する新型コロナワクチンの治験で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表した。[nL4N2HV3XP]

これを受けて原油価格が8%超急伸し、エネルギー株を押し上げた。[nL4N2HV4PV]

米大統領選で民主党のバイデン前副大統領の勝利が週末に報じられたことも、不透明感の解消につながった。

ベアードの市場ストラテジスト、マイケル・アントネッリ氏は「選挙を巡る不透明感が消えつつあるところにワクチンのニュースが伝わり、投資家の熱気が高まった」とし、「コロナ禍前の生活に戻ることで恩恵を受けるあらゆる企業が大きく上昇している」と語った。

ただ、終盤にかけてS&Pは上げ幅を縮小。米共和上院トップのマコネル院内総務が、トランプ大統領には米大統領選の「不正」を調べる権利が完全にあるとの見方を示した。[nL4N2HV4R2]

午前の株価上昇を受けて利益確定売りが出たとの声も聞かれた。

S&P500の主要11セクターではエネルギー (SPNY)が上げを主導し、数カ月ぶりの高い上昇率を記録。需要回復への期待が支援した。

景気全体の動向を反映するとみられる銀行株<.SPXBK>も急伸した。

新型コロナに伴う移動制限やロックダウン(都市封鎖)で打撃を受けている銘柄にも買いが入り、NYSE航空指数 (XAL)は19%高。個別銘柄ではボーイング (N:BA)が14%、クルーズ船運航のカーニバル (N:CCL)が39%、それぞれ急伸した。

半面、テクノロジーセクターや巣ごもり需要で買われてきた銘柄は小幅高もしくは下落となり、ナスダック総合はマイナス圏で引けた。

ネットフリックス (O:NFLX)やアマゾン・ドット・コム (O:AMZN)が売られたほか、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ (O:ZM)やエクササイズバイクのペロトン・インタラクティブ (O:PTON)はともに大幅安となった。

ファイザーは8%近く上昇。一方、バイオジェン (O:BIIB)は約28%急落した。アルツハイマー型認知症治療薬について米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が6日、有効性に否定的な見解を示した。[nL4N2HT013]

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.22対1の比率で上回った。ナスダックでは1.96対1で値上がり銘柄数が多かった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 新型コロナウイルスのワクチン開発や米政局をめぐる不透明感の後退を受け、安全資産に対する売りが活発化し、急反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前週末比97.30ドル(4.99%)安の1オンス=1854.40ドル。中心限月の清算値としては7月21日以来約3カ月半ぶりの安値を付けた。

米製薬大手ファイザーは9日早朝、最終段階を迎えた新型コロナワクチンの臨床試験 (治験)について、9割超の確率で参加者の感染を予防する効果が確認できたとの暫定結 果を発表。今後、安全性に関するデータがそろい次第、米当局に緊急使用許可を申請する という。これをきっかけに、世界的に経済活動の正常化が進むとの期待が大きく膨らみ、 金塊相場は1960ドル付近から急ピッチで下落。昼ごろには一時1848.00ドルま で売られた。

また、民主党のバイデン前副大統領候補が7日、米大統領選での当確に必要な選挙人を獲得し、勝利宣言。共和党のトランプ大統領はなお訴訟を継続する姿勢を表明しているものの、ひとまず決着がついたことも株式などリスク資産への資金流入を促し、金塊相場を圧迫した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 新型コロナウイルスのワクチン開発をめぐる期待を背景に景気先行き懸念が後退し、急反発した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比3.15ドル(8.5%)高の1バレル=40.29ドルだった。1月物は3.13ドル高の40.62ドルとなった。

米製薬大手ファイザーは9日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、9割超の確率で臨床試験(治験)参加者の感染を予防する効果が確認できたと発表した。これを受けて、新型コロナウイルスの再拡大を背景とした世界的な景気後退に対する警戒感が後退、エネルギー需要見通しに楽観的な見方も広がり、原油が大きく買い戻された。

また、サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相が、実施中の減産措置をめぐり、石油輸出国機構(OPEC)の加盟国の間で合意が得られれば、需給均衡のため減産の調整は可能と示唆したことも、供給引き締まり期待につながり、原油を支えている。OPECとロシアなど非加盟国で構成する「OPECプラス」は来年1月から削減幅を縮小する計画を打ち出していた。

米民主党のバイデン副大統領候補が7日、米大統領選での当確に必要な選挙人を獲得し、勝利宣言をした。ただ、バイデン氏の外交政策では石油輸出国機構(OPEC)加盟国であるイランとベネズエラに対する措置を緩和する可能性が高く、需給緩和観測も一部では出ている。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

*内容を追加しました

ドル/円 NY終値 105.36/105.39

始値 104.20

高値 105.64

安値 104.15

ユーロ/ドル NY終値 1.1813/1.1816

始値 1.1887 (EUR=)

高値 1.1919

安値 1.1796

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 92*05.50 1.7117% (US30YT=RR)

前営業日終値 94*23.50 1.5980%

10年債(指標銘柄) 17時04分 97*07.00 0.9235% (US10YT=RR)

前営業日終値 98*05.50 0.8200%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*04.00 0.4280% (US5YT=RR)

前営業日終値 99*14.25 0.3630%

2年債(指標銘柄) 17時04分 99*28.88 0.1746% (US2YT=RR)

前営業日終値 99*30.13 0.1550%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 29157.97 +834.57 +2.95 (DJI)

前営業日終値 28323.40

ナスダック総合 11713.78 -181.45 -1.53 (IXIC)

前営業日終値 11895.23

S&P総合500種 3550.50 +41.06 +1.17 (SPX)

前営業日終値 3509.44

COMEX金 12月限 1854.4 ‐97.3 <0#GC:>

前営業日終値 1951.7

COMEX銀 12月限 2370.1 ‐196.1 <0#SI:>

前営業日終値 2566.2

北海ブレント 1月限 42.40 +2.95 (LCOc1)<0#LCO:>

前営業日終値 39.45

米WTI先物 12月限 40.29 +3.15 (CLc1)<0#CL:>

前営業日終値 37.14

CRB商品指数 151.2539 +3.5545 (TRCCRB)

前営業日終値 147.6994 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20201109T221923+0000

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