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NY市場サマリー(13日)ドル続伸、利回り低下 S&P下落

発行済 2023-10-14 06:40
更新済 2023-10-14 06:45

<為替> ドルが続伸し、主要通貨バスケットに対し1週間ぶり高値を付けた。前日の取引は予想を上回る9月の米消費者物価指数(CPI)を受け連邦準備理事会(FRB)が金利をより長期間高水準に維持するという観測が強まる中、ドルは急伸していた。

9月CPIは前月比0.4%上昇、前年比3.7%上昇で、ともに市場予想を上回った。

11日に発表された9月の米卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)も前年比2.2%上昇した。伸びは8月から加速し、予想の1.6%上昇を上回った。

マネックス・セキュリティーズのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は、11日にはPPIに対する反応は比較的控えめだったものの、「CPIを受けそうした反応に修正が入り、ドルの大幅な動きにつながった」という見方を示した。

主要6通貨に対するドル指数は0.11%高の106.63。前日は、1日としては3月15日以来最大の伸びを記録した。週足では0.5%上昇する見通し。

イスラエル情勢を受け、経済的かつ地政学的な不確実性が高まる中、ドルが再び勢いを増しているとアナリストは指摘する。イスラエル軍は13日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザのガザ市で数日以内に「大規模な」作戦を展開するとし、100万人以上のガザ市住民に24時間以内に南部へ避難するよう指示した。

FRB当局者のハト派的なトーンもドルを支えている。フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁はこの日、物価上昇圧力が弱まりつつある中、FRBは利上げを終了する可能性が高いとの考えを示した。

米ミシガン大学が13日発表した10月の消費者信頼感指数(速報値)は63.0と、前月の68.1(確報値)から低下した。低下は3カ月連続。市場予想中央値の67.2を下回った。

円は対ドルで、0.21%高の149.5円。RBCのチーフ為替ストラテジスト、アダム・コール氏は「介入リスクは明らかに高く、ドル/円の動きを抑制している」と指摘した。

オフショア人民元は横ばいの1ドル=7.3114元。中国国家統計局が13日発表した9月の物価統計は、CPIが前年比横ばいとなる一方、PPIは2.5%下落した。デフレ圧力は続いている。

カナダドルは対米ドルで小幅上昇。カナダの主要輸出品目である原油価格が上昇する中、カナダ中銀が月内の会合で追加利上げを実施するという観測が強まっている。

<債券> 国債利回りが低下した。イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を開始したことを受け、事態がエスカレートするとの懸念から安全資産である米国債が買われた。

ただ、今週の債券入札が不調だったことは投資家の警戒感を高め、利回りは上昇する可能性もある。

10年物国債利回りは、この日の取引開始時に週初とほぼ同水準まで低下した。

ステート・ストリート(ボストン)のシニアグローバルマクロストラテジスト、マービン・ロー氏は「週末に地上戦が激化した場合に備え、安全資産に投資するのが目的だ」と語った。

ただ、多くのトレーダーや投資家は、国債価格の下落を予想して国債をショートにしている。「もし週末に安全逃避的な動きがあるのであれば、過剰なショートは避けたいところだろう」(ロー氏)という。

10年国債利回りは8.2ベーシスポイント(bp)低下の4.629%。2年国債利回りは1.5bp低下の5.056%だった。

一方、SLCマネジメント(ボストン)の投資戦略・資産配分担当マネージングディレクター、デック・マラーキー氏は「米政府の財政赤字と国債増発の必要性から国債入札の規模が大きくなると見込まれ、投資家はディーラーが当初予想していたよりも高い利回りを要求している」と指摘。国債の大幅供給に対してどれだけのプレミアムを上乗せすべきか、市場は見極めなければならないとした。

TD証券(ニューヨーク)で米金利戦略を担当するゲンナディ・ゴールドバーグ氏も、指標10年国債利回りは短期的に5%まで上昇する可能性もあれば、地政学リスクから低下する可能性もあると語った。「国内ファンダメンタルズと地政学リスクのどちらかが実際に優勢となるまで、このような波乱が続くだろう」という。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス42.9bpだった。

30年国債利回りは9.4bp低下の4.777%。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.284%、10年物が2.344%だった。

<株式> S&P総合500種とナスダック総合が下落して取引を終えた。一部の米銀大手は好決算を発表したものの、消費者信頼感指数の低下と中東紛争を受けて投資家のリスク選好意欲が削がれた。

主要3株価指数は上昇して始まったが、米ミシガン大学が発表した10月の消費者信頼感指数(速報値)が3カ月連続で低下し、市場予想中央値を下回ったことを受け、下げに転じた。ダウ工業株30種は小幅高となった。

投資家は中東情勢も注視。イスラエル軍主席報道官のダニエル・ハガリ氏は、イスラエル軍の歩兵部隊と戦車部隊が13日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ内で「局地的な奇襲」を実施したと発表した。空爆作戦から地上作戦への移行を初めて明らかにしたとみられる。

質への逃避から米債利回りは低下。米原油先物は5.8%上昇した。

ニューヨーク・ライフ・インベストメンツのエコノミスト兼ポートフォリオストラテジスト、ローレン・グッドウィン氏は「これはリスクオフ志向の強まりを示唆している」と指摘。債券、株式、原油の動きは、消費者信頼感指数の悪化、世界経済および地政学的紛争に対する懸念を反映していると述べた。

週間ではS&P500が0.45%高と2週連続で上昇した一方、ナスダックは0.18%下落。ダウは0.79%高となり3週間ぶりの上昇となった。

S&Pの主要11セクターでは、原油高を背景にエネルギーが2.3%高。公益事業が1%上昇、主要消費財が0.8%上昇とディフェンシブセクターも買われた。

金などの安全資産も上昇した。

JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、シティグループの株価は金利上昇を追い風にアナリスト予想を上回った四半期決算を受け買われた。終値はウェルズ・ファーゴが3%、JPモルガンが1.5%それぞれ上昇したが、シティは失速し0.2%安だった。

銀行は一時3.4%高と3週間ぶりの高値を付けた。終値は0.6%高。

米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は13日、物価上昇圧力が弱まりつつある中、連邦準備理事会(FRB)は利上げを終了する可能性が高いとの考えを示した。

個別銘柄では、世界最大の資産運用会社ブラックロックが1.3%安。第3・四半期の純資金流入額が25億7000万ドルと、前年同期の169億ドルから減少した。

米医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループは2.6%高。第3・四半期利益が予想を上回った。

米ディスカウント小売大手、ダラー・ゼネラルは9%上昇。ジェフ・オーウェン最高経営責任者(CEO)の後任としてトッド・バソス前CEOが就任すると発表した。

米航空機大手ボーイングは3%安。米航空機部品大手スピリット・エアロシステムズが旅客機「737MAX8」に影響する製造上の欠陥について、現在行っている検査の範囲を拡大したことを受けた。スピリットの株価は0.9%下落した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.56対1の比率で上回った。ナスダックでも1.68対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は100億6000万株。直近20営業日の平均は103億7000万株。

<金先物> 中東情勢の不安定化を背景に「安全資産」としての金需要が膨らみ、反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比58.50ドル(3.11%)高の1オンス=1941.50ドル。

<米原油先物> 中東情勢の不透明感が強まる中、需給逼迫(ひっぱく)懸念が再燃し、4日ぶりに急反発した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前日比4.78ドル(5.77%)高の1バレル=87.69ドル。

ドル/円 NY終値 149.55/149.57

始値 149.62

高値 149.73

安値 149.46

ユーロ/ドル NY終値 1.0509/1.0513

始値 1.0517

高値 1.0547

安値 1.0496

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 89*31.50 4.7565%

前営業日終値 88*10.50 4.8710%

10年債(指標銘柄) 17時05分 94*06.00 4.6165%

前営業日終値 93*15.00 4.7110%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*29.25 4.6441%

前営業日終値 99*21.25 4.7010%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*28.50 5.0581%

前営業日終値 99*27.75 5.0710%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33670.29 +39.15 +0.12

前営業日終値 33631.14

ナスダック総合 13407.23 -166.99 -1.23

前営業日終値 13574.22

S&P総合500種 4327.78 -21.83 -0.50

前営業日終値 4349.61

COMEX金 12月限 1941.5 +58.5

前営業日終値 1883.0

COMEX銀 12月限 2289.5 +93.6

前営業日終値 2195.9

北海ブレント 12月限 90.89 +4.89

前営業日終値 86.00

米WTI先物 11月限 87.69 +4.78

前営業日終値 82.91

CRB商品指数 283.9739 +5.8916

前営業日終値 278.0823

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