東京外為市場・15時＝ドル96円半ば、海外市場の激しい値動きが一巡

　　　　　　　ドル／円　　　ユーロ／ドル　　ユーロ／円

午後３時現在　９６．６３／６４　　１．３９３５／３６　　１３４．６３／７２

正午現在　　　９６．５８／５９　　１．３９１２／１３　　１３４．３６／４２

午前９時現在　９６．６９／７３　　１．３９０８／１２　　１３４．４４／５２

ＮＹ17時現在　９６．５８／６０　　１．３９０４／０８　　１３４．１４／２６

--------------------------------------------------------------------------------

　［東京　１９日　ロイター］　午後３時現在のドル／円は、ニューヨーク市場の午後５

時時点からほぼ変わらずの９６円半ば。主要通貨が激しく上下した前日海外の流れは一服

。アジア時間の値動きは小幅にとどまった。早朝からのドル／円の値幅は上下３５銭だっ

た。

　ドル／円は９６円半ばから後半のもみあいとなった。前日海外市場では、英ポンドやス

イスフランが上下数百ポイントの激しい上下を見せたが、「結局レンジを抜け出すほどの

手掛かりがない」（外銀）といい、アジア時間に入ると値動きはこう着。売買も手控えム

ードが広がった。ユーロ／ドルも１．３８ドル後半から１．３９ドル半ばの狭いレンジ内

の値動きが続いた。

　海外市場で激しい値動きの目立ったユーロ／スイスフランは、１．５１スイ

スフラン付近で一進一退となった。前日海外市場では、最近のスイスフラン高に懸念を示

し続けていたスイス国立銀行（中央銀行）の委託を受けて、国際決済銀行（ＢＩＳ）がス

イスフラン売り介入を実施したとの観測が広がり、ユーロ／スイスは介入ラインとされる

１．５０フラン付近から１．５１フラン半ばへ一気に上昇したが、アジア時間の取引で

１．５１フラン前半へ早くも反落した。相次ぐ介入観測が市場に与える「効果が薄れてき

た」（別の外銀）という。

　スイスフランは対英ポンドでも下落。英ポンド／スイスフランは予想を下回

る英指標を受けて、いったん１．７７フラン付近から１．７４フラン半ばまで急落したが

その後１．７６フラン付近まで急反発した。市場では対英ポンドでも、スイスフラン売

り介入が行われたのではないかとの観測が出ている。

　スイス中銀は１８日の会合で政策金利の据え置きを決める一方、対ユーロでスイスフラ

ンの上昇を回避のための介入を続ける方針を示している。

　英ポンド／ドルも１．６３ドル前半でもみあい。前日海外市場で１．６４ドル

半ばから１．６１ドル後半の数百ポイントを激しく上下した荒い値動きが一巡した。

　海外では５月英小売売上高が予想外の減少となったことを受けて、英ポンドが急落。対

ユーロでも０．８４ポンド付近から０．８６ポンド付近へ２００ポイント超

対円でも１５８円付近から１５５円前半まで３円近い下げとなった。しかし

スイス中銀の介入と見られるスイスフランの急落などをきっかけに、海外市場終盤にか

けて英ポンドは反発。対ドル、対ユーロなどで軒並み指標発表前の水準を回復した。「フ

ァンド勢はまだ体力が回復していないため、売り込めるときは売るが手じまいもかなり早

い。早いファンドは数時間でポジションを閉じてくる」（冒頭の外銀）とことが、英ポン

ド急反発の一因になったという。

　豪ドル／米ドルも０．８０ドル付近で小動きとなった。前日には、オーストラ

リア準備銀行（中央銀行）が５月に実施した豪ドル売りが０４年２月以来の大きさとなっ

たと発表したことが一時注目を集めたが、その規模が１４億豪ドルと小規模だったことな

どから、市場では今後の値動きに大きく影響を与える可能性があるとの見方は少ない。

　豪中銀は、昨年１０月に豪ドルが大きく下落した局面で３１億豪ドル規模の豪ドル買い

に動いた後も、毎月豪ドルの売買を実施しており「経常黒字国として外貨準備調整の範囲

に過ぎない」（後出の外銀）こと、「豪企業絡みのＭ＆Ａのほうがはるかに規模が大きい

」（別の外銀）などとする声が出ている。ただ「（資源高や資源国通貨高などの）リスク

ラリーはやや行き過ぎの感も出始めている。一時的にせよ調整圧力が強まりやすい」（さ

らに別の外銀）一因にはなるとする見方もあった。

　＜ＬＩＢＯＲ参照行拡大、スポット市場への影響限定的か＞

　市場では、１８日に英銀行協会（ＢＢＡ）がロンドン銀行間取引金利（ＬＩＢＯＲ）の

レファレンスバンク（レート算出の参照行）を拡大すると発表したことが話題となった。

ただ、「参照行が増えるだけでＬＩＢＯＲ金利が上がるかは疑問」（外銀）として、スポ

ットのドル相場への影響は限定的とする見方も複数ある。

　ＢＢＡは１８日、ＬＩＢＯＲの定義を変更し、算出にあたりロンドンを拠点としない銀

行の参加を認める方針を明らかにし、１９日に発表・実施するとした。

　ＬＩＢＯＲは、参加銀行がさまざまな通貨・期間について金利を提示し、その平均を算

出したもので、現在の定義ではロンドンで設定された金利が対象となっている。今回の変

更により、ロンドン市場の取引に参加していれば同市に拠点を置かない銀行も金利の提示

が認められる。

現在のレートは、時系列のレートはをご覧下さい。

　（ロイター日本語ニュース　基太村真司記者）

　※（shinji.kitamura@thomsonreuters.com；０３―６４４１―１７９１；ロイターメッ

セージング：shinji.kitamura.reuters.com@reuters.net）