[ニューヨーク 17日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、さえない米経済指標や経済見通しの不確実性を背景に、円が対ドルで上昇し7週ぶりの高値を付けた。
ドルは通貨バスケットに対し一時1週間ぶりの高値を付けたものの、その後はリスク選好がやや持ち直す中、値を消した。
週間の新規失業保険申請件数は86万件と、前週の89万3000件から3万3000人減少。ただ、新型コロナウイルス禍に伴う政府の財政支援が滞る中、個人消費は減速しており、労働市場回復の足取りは鈍い。
アクション・エコノミクス(フロリダ州)のマネジングディレクター、ロン・シンプソン氏は「経済見通しが非常に不透明」と指摘。「一部の経済指標は良好だが、さえない指標もあり、見通しがころころ変わる」と述べた。またコロナワクチンの実用化の時期を巡っても、様々な意見が飛び交っているとした。
トランプ大統領は16日、コロナワクチンの供給に関して10月かそれより少し後に開始が可能になると発言。一方、米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長は、米国内でコロナワクチンの幅広い配布が可能になるのは2021年半ばかその少し後との見通しを示した。
円は対ドル
ドルは通貨バスケット (=USD)に対し0.2%安の92.956。一時93.614まで値上がりした。
ユーロ/ドル (EUR=)は0.2%高の1.1841ドル。
米連邦準備理事会(FRB)は15─16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くことを決定した。また、インフレ率が2%の目標を超える軌道にあると判断されるまで金利をゼロ付近に維持する方針を明らかにした。
CIBCキャピタル・マーケッツ(トロント)の北米FX戦略部長、ビペン・レイ氏は「FRBは2024年まで利上げを見送る可能性があり、ドルに対する下押し圧力は長期間継続する見通し」とした。
ドル/円 NY終値 104.73/104.75
始値 104.72
高値 104.84
安値 104.53
ユーロ/ドル NY終値 1.1847/1.1850
始値 1.1797
高値 1.1853
安値 1.1790