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為替週間見通し:下げ渋りか、日米株価安定で円買い後退の可能性

発行済 2024-08-10 14:43
更新済 2024-08-10 14:45
© Reuters.
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*14:43JST 為替週間見通し:下げ渋りか、日米株価安定で円買い後退の可能性 【今週の概況】
■日銀追加利上げ観測後退でリスク回避の円買い縮小

今週のドル・円は下げ渋り。
日本銀行内田副総裁の発言を受けて早期追加利上げ観測は後退し、日米金利差の縮小を想定した米ドル売り・円買いは後退した。
5日の日経平均株価は前営業日比比4451.28円安と過去最大の下げ幅となり、株価急落を嫌気してリスク回避的な円買いが急速に広がった。
しかしながら、同日発表された7月米ISM非製造業景況指数は予想以上に改善したため、ドルは大幅反発。
6日の日経平均株価は3000円超の上げ幅を記録し、ドル・円は一時146円台前半まで買われた。
同日の欧米市場で米ドル・円は一時144円台前半まで反落したが、7日に行われた講演で日銀内田副総裁は「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」との見方を伝えたことを受けてリスク選好的な米ドル買い・円売りが再び活発となり、一時147円90銭まで米ドル高・円安に振れる場面があった。


9日のニューヨーク外為市場でドル・円は146円27銭まで弱含みとなった。
米ボストン地区連銀のコリンズ総裁が「データが予想通りとなった場合、近く緩和開始が適切になる」との発言を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による年内利下げへの期待が高まり、リスク選好的な米ドル買い・円売りは一服。
146円61銭でこの週の取引を終えた。

・ドル・円の取引レンジ:141円70銭-147円90銭

【来週の見通し】
■下げ渋りか、日米株価安定で円買い後退の可能性

来週のドル・円は下げ渋りか。
直近発表の米経済指標は弱さが目立つ。
8月14日に発表される7月消費者物価コア指数(CPI)が市場予想を下回った場合、インフレ鈍化が鮮明になり、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げへの思惑を後押ししよう。
FRBは9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50ptの利下げを検討する可能性があり、15日の小売売上高は前月比で改善が予想されるものの、同時に発表されるフィラデルフィア連銀製造業景況指数は前回から悪化が見込まれ、景気減速懸念を強める材料になりやすい。


ただ、日米の株式相場が安定すればリスク回避の円買いは後退しよう。
日本銀行による金融正常化への期待が後退すれば円売りも見込まれる。
日銀副総裁のハト派的見解で早期利上げ観測は後退しており、現時点でリスク回避のドル売り・円買いが急速に拡大する可能性は低いとみられる。


【米・7月消費者物価コア指数(CPI)】(8月14日発表予定)
14日発表の米7月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+3.2%)と予想され、いずれも鈍化すればドル売り要因に。


【米7月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の米7月小売売上高は前月比+0.3%と、前回の0.0%から改善する見通し。
個人消費の強さが顕著になれば景気減速懸念は一服し、ドル買いに振れやすい。


ドル・円の予想レンジ:145.00円-149.00円


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