[ワシントン 6日 ロイター] - トランプ米大統領の弾劾調査を進める下院委員会は6日、下院情報特別委員会で来週公聴会を開催すると発表し、トランプ氏とウクライナのやりとりに懸念を示した外交官ら3人が証言すると明らかにした。公聴会はテレビ中継される。
ウィリアム・テイラー駐ウクライナ代理大使とジョージ・ケント国務次官補代理が13日に、マリー・ヨバノビッチ元駐ウクライナ大使が15日に証言する。3人ともすでに非公開の証言を行っている。
アダム・シフ下院情報委員長は記者団に対し「この1年の間に何が起き、大統領が政敵についてウクライナに調べさせようという違法な目的や、自身の再選に有利になるとの思惑から2016年大統領選に絡む陰謀説を押し進める狙いで、政府機関にどの程度協力を求めたかという点について、われわれの理解は深まっている」と述べ、公聴会を開くために十分な材料があるとの見方を示した。
公聴会に先立ち、下院委は10月22日に行われたテイラー氏の非公開証言の記録を公表した。
その中で同氏は、ウクライナ政府に同国のガス会社ブリスマを捜査するよう圧力をかけるホワイトハウス主導の取り組みについて、2020年米大統領選でトランプ氏の再選を支援することが動機だったとの見方を示した。
ブリスマでは、大統領選の民主党有力候補であるバイデン前副大統領の息子が役員を務めた。
テイラー氏は「バイデン氏のイメージを損なうことがブリスマを調べる理由だと理解した」とし、「(ウクライナのゼレンスキー)大統領が捜査を約束するまで、同国への支援は払われないというのが、私の明確な理解だった」と述べた。
また、トランプ大統領はゼレンスキー氏自身がブリスマへの捜査を発表するとともに、16年米大統領選を巡る陰謀説を模索することを「断固」求めていると、ソンドランド駐欧州連合(EU)大使から伝えられたことを明らかにした。
こうした中、トランプ政権高官によると、ホワイトハウスは弾劾調査でトランプ氏側の反論を支援するコミュニケーションチームを強化する方針で、パム・ボンディ元フロリダ州司法長官とトニー・サーイグ元財務省報道官を起用する見通しという。