日経平均は大幅反発。
473.05円高の23677.81円(出来高概算5億7250万株)で前場の取引を終えた。
前日の米国市場では、トランプ大統領が会見でイランとの更なる対立激化を望まない意向を示唆すると、主要3指数は揃って反発となった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比370円高の23520円になるなか、為替相場が1ドル=109円台を回復して前日から円安方向に振れたこともあり、本日の日経平均はシカゴ日経225先物清算値を上回ってのスタートとなった。
物色としては、年始にかけて売られたハイテク株中心に上げ幅を拡大する銘柄が散見された。
セクターでは、鉱業と石油・石炭製品を除いた31業種が上昇。
とりわけ、海運業や電気機器、情報・通信業の上げが目立った。
売買代金上位では、ソフトバンクG (T:9984)が4.9%高になったほか、ソニー (T:6758)、任天堂 (T:7974)、ファーストリテ (T:9983)、東京エレクトロン (T:8035)、村田製作所 (T:6981)、トヨタ自動車 (T:7203)、SUMCO (T:3436)、富士フイルム (T:4901)、三菱UFJ (T:8306)、Zホールディングス (T:4689)が上昇した。
一方で、ウエルシアHD (T:3141)は第3四半期の好決算を発表したものの、材料出尽くし感が先行して3%安になった。
本日の東京市場は、前述したトランプ大統領会見を受けてイラン情勢の緊張緩和を好感する流れとなった。
米国とイランによる全面的な武力衝突といった最悪のリスクシナリオに対する過度な警戒感はひとまず後退しているようだ。
前場では、ソフトバンクGやファーストリテといった指数インパクトの大きい銘柄がけん引役となり、日経平均は寄り付きからじりじりと上げ幅を拡大する展開となった。
前日の先物手口では、クレディスイス証券が225・TOPIX両先物を揃って大きく売り越していたこともあり、短期筋とみられる主体が先物主導で断続的な買い戻しを入れる動きが継続しているもよう。
これにより、225先物は前日のナイトセッション終値水準の23580円を上抜け、1月6日につけた高値である23660円まで一時上昇する場面があった。
一方で、米国によるイランに対する追加の経済制裁など、中東情勢を巡る不透明感は依然として残っており、次第に売り方の買い戻し一巡の動きも意識されてこよう。
また、本日引け後に控えるファーストリテや安川電 (T:6506)の決算を見極めたいとする向きも根強くなる可能性がある。
このような状況下、後場にかけての物色としても、需給頼みの上昇を見せる銘柄から、好業績銘柄に対する見直しやテーマ株へと目線をシフトしておきたいところである。
(雲宮 祥士)