ニューヨークエコノミッククラブの講演で、トランプ大統領による米中貿易協議の前向きな発言が期待されていたが、材料視されるものはなかった。もうすぐ合意する可能性はあると述べたが、米国に利点がなければ合意はしないとも述べ、直近の発言を踏襲する内容だった。
火曜日の米株式市場は概ね上昇して終了している。ダウ平均は前日比横ばいの27,691.49、S&P500は0.16%高の3,091.84、ナスダック総合指数は0.26%高の8,486.09だった。ダウ平均は横ばいで終わったが、一時79ポイントの上昇、56ポイントの下落と上下に大きく揺れた。
ボーイング (NYSE:BA)は737MAXが200件以上の発注がなくなったと報じられたことで1.1%下落し、ダウ平均を28ポイント押し下げた。キャタピラー (NYSE:CAT)は期待された大統領の前向きな発言がなかったことで1.12%下落し、ダウ平均を11ポイント押し下げた。この2社の株価がダウ平均の上昇を抑える形となっている。
ディズニー (NYSE:DIS)は火曜日からビデオ・ストリーミングのサービス「 Disney +」を開始し、1.3%上昇している。ただ利用者のアクセスが殺到したことでシステム障害が発生し、接続できないとの苦情が数多く寄せられた。
米10年債利回りは1.928%へ低下し、ドル円は108.97円となっている。日経225先物は2万3440円。ドルオフショア人民元は7.0242、ドルウォンは1,166.51。
本日の日経平均株価は利益確定売りで上値が重い展開だろう。昨日はトランプ大統領の講演への期待が先行して上昇した面があり、その反動が出る可能性がある。若干ドル円が円高になっている点も指数の下落を招きやすい。25日騰落率が142.34%と過熱しており、上値追いはしにくい局面だ。一方で強い上昇トレンドの中で下値は堅い。本日は2万3350円~2万3600円での推移を予想する。明日午前1時にはパウエルFRB議長の議会証言があるため、次第に様子見姿勢が強くなる可能性もある。