米中協議への懸念の高まりを受けて、水曜日の米株式市場は主要3指数揃って下落した。ダウ平均株価は0.40%安の27,821.09、S&P500は0.38%安の3,108.46、ナスダック総合指数は0.51%安の8,526.73だった。
ロイター通信は「米中通商協議の第1段階の合意が来年にずれ込む可能性がある」と報じ、ウォールストリートジャーナルも「米中貿易協議は行き詰まる恐れがあり、年内の第1段階の合意を目指すトランプ米政権の計画がとん挫する可能性がある」と報道した。相次ぐ米中協議難航のニュースは株価の重しとなった。ダウ平均は一時260ポイントの下落となったが、米中交渉はいまだ継続中とのホワイトハウスとトランプ大統領のコメントを受けて下落の半分程度値を戻して終了している。
米中協議への懸念はアップル (NASDAQ:AAPL)やキャタピラー (NYSE:CAT)など中国市場の売上が大きな銘柄の株価を押し下げた。アップルは1.16%下落し、1銘柄でダウ平均の22ポイントを下落させた。
米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が発表する原油在庫量が市場予想を下回り、WTI原油先物は約3%上昇した。これによりシェブロン (NYSE:CVX)、エクソン・モービル (NYSE:XOM)などエネルギー銘柄が上昇している。
ボーイング (NYSE:BA)は1.1%高となり、ダウ平均を26ポイント押し上げた。上昇したダウ銘柄は9つだけだった。中東の大手航空会社であるエミレーツ航空から787ドリームライナーを受注したというニュースが好感されている。
FOMC議事要旨が公表され、今後の見通しとして再評価を要するデータ(経済指標)が出ない限り政策スタンスを維持することで判断が一致していたことがわかった。
米10年債利回りは1.736%に低下し、ドル円は108.45円となっている。日経225先物は2万3110円、ドルオフショア人民元は7.0393、ドルウォンは1,170.32。
本日の日経平均株価は米中協議への懸念の高まりを受けて上値が重いだろう。ドル円も108円台半ばとなっており、株価の上昇を支援しない。5日と9日移動平均線は下向きに推移しており、調整を示唆している。米中協議に関する材料次第で状況はころころ変わる可能性はあるが、本日は2万3000円から2万3250円での推移を予想する。