[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場はダウ工業株30種 (DJI)が1.3%上昇、S&P総合500種 (SPX)が0.3%高となる一方、ナスダック総合 (IXIC)は0.4%下落した。新型コロナウイルス追加対策を巡る協議の進捗具合が注目される中、物色の矛先がハイテク大手からバリュー株にシフトした。
最高値を付けていたナスダックは、マイクロソフト (O:MSFT)やアマゾン (O:AMZN)、フェイスブック (O:FB)の下げに押された。
景気後退時にグロース株をアウトパフォームしやすいバリュー株はここ数日で強含んでいる。この日は、ラッセル1000バリュー指数 (RLV)が0.9%上昇する一方、ラッセル1000グロース指数 (RLG)は0.5%下落した。
キングスビュー・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は「グロース株が敬遠され、バリュー株を買う動きが再び見られ始め、ハイテク大手の比率が高いS&P500を抑制しやすい」と指摘。ただ、こうした動きはここ数年長く続いていないとした上で、現時点では「株式の放棄というよりグロース株の調整だろう」とした。
この日は、トランプ米大統領が8日に失業保険給付の上乗せなど追加の新型コロナ経済対策を実施する大統領令に署名したことも支援材料となった。
ムニューシン米財務長官は10日、野党民主党の主張が合理的であれば、トランプ政権と議会は今週中にも追加の新型コロナ経済対策で合意できるという考えを示した。
セクター別では、年初来で最もアンダーパフォームしているエネルギー (SPNY)と工業 (SPLRCI)が上昇。一方、情報技術 (SPLRCT)と通信サービス (SPLRCL)が売られた。
個別銘柄では、米写真用品メーカー、イーストマン・コダック (N:KODK)が27.9%安。米政府が7月末に発表した同社への融資を保留したことが嫌気された。
マイクロソフト (O:MSFT)は2%安。同社が検討している中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の一部事業買収で、技術的な面で複雑な問題が生じる可能性があると、関係者が明らかにした。
ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.45対1の比率で上回った。ナスダックは1.56対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約97億6000万株。直近20営業日の平均は103億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 27791.44 +357.96 +1.30 27488.2 27803.8 27488.2 (DJI)
1 6 1
前営業日終値 27433.48
ナスダック総合 10968.36 -42.63 -0.39 11033.7 11040.2 10849.4 (IXIC)
3 4 6
前営業日終値 11010.98
S&P総合500種 3360.47 +9.19 +0.27 3356.04 3363.29 3335.44 (SPX)
前営業日終値 3351.28
ダウ輸送株20種 10864.94 +288.56 +2.73 (DJT)
ダウ公共株15種 841.03 -2.20 -0.26 (DJU)
フィラデルフィア半導体 2179.60 +0.74 +0.03 (SOX)
VIX指数 22.13 -0.08 -0.36 (VIX)
S&P一般消費財 1175.40 +7.99 +0.68 (SPLRCD)
S&P素材 391.86 +3.85 +0.99 (SPLRCM)
S&P工業 650.15 +15.41 +2.43 (SPLRCI)
S&P主要消費財 654.13 +2.95 +0.45 (SPLRCS)
S&P金融 414.73 +2.65 +0.64 (SPSY)
S&P不動産 225.96 -0.37 -0.16 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 289.24 +8.65 +3.08 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1234.88 -4.22 -0.34 (SPXHC)
S&P通信サービス 196.49 -0.90 -0.46 (SPLRCL)
S&P情報技術 1992.87 -6.58 -0.33 (SPLRCT)
S&P公益事業 311.82 -0.30 -0.10 (SPLRCU)
NYSE出来高 9.08億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 22515 + 175 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物9月限 円建て 22495 + 155 大阪比 <0#NIY:>