東和ハイシステム<4172>(JQS)は、今年8月30日に今2021年9月期業績の2回目の上方修正を発表し、株価が255円高と大陽線を引いており、この日は日経平均株価が4日ぶりに反落し、日経ジャスダック平均株価も反落したことから、目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただ、この2回の上方修正で今期純利益が上場前の2015年2月期の過去最高(3億6300万円)を更新するともに、今期配当も増配を予定しおり、押し目買いの一考余地を示唆している。テクニカル的にも、25日移動平均線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強めており、買い手掛かりとなりそうだ。
■歯科電子カルテが堅調に推移しオンライン診察システムも発売
同社の今9月期業績は、今年4月に昨年12月の新規株式上場(IPO)時の予想業績が上方修正され、その修正値がさらに上方修正された。4月増額値より売り上げを6100万円、営業利益を3800万円、経常利益を4100万円、純利益を5500万円それぞれ引き上げ、売り上げ23億5500万円(前期比23.2%増)、営業利益5億8500万円(同52.3%増)、経常利益5億5600万円(同39.6%増)、純利益3億8500万円(同57.1%増)と増収増益率を伸ばし、純利益は、上場前の過去最高を6期ぶりに更新する。今期配当は、普通配当を期初予想の45円から50円、昨年12月のIPOの記念配当を同じく10円から15円に引き上げ、年間65円(前期実績35円)へ増配幅の拡大を予定している。
主力商品の歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit」の総ユーザー数が、第2四半期末で3139ユーザーと順調に伸び、厚生労働省の推進している「オンライン資格確認等システム」とともに売り上げが堅調に推移し、クラウド統合システムでは1月にクラウド予約システム、6月にはオンライン診察システムやオンライン診察券などの販売をそれぞれ開始したことが寄与した。
し買う最高値から最安値への調整幅の3分の1戻しから半値戻しも視野
株価は、昨年12月に公開価格2300円でIPOされ、5300円で初値をつけ上場来高値5490円まで買い進まれたが、IPO人気の一巡で2951円安値へ調整し、今期業績の上方修正とコロナ禍によるオンライン診療関連株人気も上乗せとなって3300円へリバウンドしたが、今期第2四半期決算発表時に業績上ぶれ発表がなかったもとで上場来安値2901円へ再調整した。同安値からは今期業績の1回目の上方修正で3795円の戻り高値まで買い戻されたが、今年8月の2回目の上方修正と増配では255円高の初期反応を示したものの、戻り売りも交錯して25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続けた。PERは18倍台、配当利回りも1.90%とジャスダック市場全銘柄平均の22倍、1.61%を下回り割り負けており、三角保ち合いを上放れ上場来高値から上場来安値への調整幅の3分の1戻しとなる7月の戻り高値3795円を奪回し、半値戻しとなる4200円も視野に入れ意識しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)