執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com -- 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がロシア・ウクライナ紛争の影響を受けて、金融政策に関してFRBは慎重に行動すると発言し、今後のFRBの積極的な引き締めに対する投資家の懸念が緩和され、S&P500は水曜日に上昇して引けた。
S&P500は1.9%、ダウ平均は1.8%増の595ポイント、ナスダック総合は1.6%、それぞれ上昇した。
パウエル議長は、3月に0.25%の利上げを行うことは「依然として適切である」と述べた。しかし、インフレが引き続き高止まれば、その後の会合で0.5%の利上げを行う可能性を排除しなかった。
FRBの金利変動に敏感な米国2年債利回りは16%以上跳ね上がった。
米国債利回りの上昇を背景に、銀行株は直近の下げ幅を縮小した。
Signature Bank (NASDAQ:SBNY)、Comerica (NYSE:CMA)、SVB Financial (NASDAQ:SIVB)はいずれも6%以上急騰した。
OPECとその同盟国が原油価格の高騰を抑える意欲をみせず、供給不安にもかかわらず4月は日量40万バレルの増産計画を維持したため、米国の原油価格が2011年以来の高水準に上昇し、エネルギー価格も上昇した。
「市場は、ロシアの石油輸送の停止をますます織り込んでいるようだ。多くの西側石油会社がロシアからの事業撤退を発表している」とCommerzbankは述べている。
ロシアによるウクライナ侵攻は、木曜日に行われる予定の会談で双方が停戦について協議するため、引き続き注目される。
先週(2月25日)の米国原油在庫が予想を上回る260万バレル減少したことを受けて、主要産油国が生産を安定させる動きをみせている。
米国債利回りが上昇している中、ハイテク株は堅調に推移し、大型ハイテク株や半導体株が上昇を主導した。
Apple (NASDAQ:AAPL)、Amazon (NASDAQ:AMZN)、Microsoft (NASDAQ:MSFT)、Alphabet (NASDAQ:GOOGL)、Meta Platforms (NASDAQ:FB)などの大手ハイテクはそろって上昇した。
また、NordstromとSalesforceが予想を上回る好決算を発表し、投資家に安心感を与えた。
Salesforce (NYSE:CRM)の四半期決算は予想を上回り、デジタル変革への健全な需要を指摘し、通期見通しを上方修正した。尚、同社の株価は1%弱の上昇で取引を終えた。
Wedbush証券は、「2023年までの更なる利益率の拡大と、最終的にはSalesforceが利するSlack社との継続的な統合が、市場の期待に対する今後の鍵になると考えている 」とし、株価の目標値を275ドルから315ドルに引き上げると述べている。
Nordstrom (NYSE:JWN)は、アナリストの予想を上回る決算発表と今後1年間の明るい見通しを示し、37%以上の上昇となった。
Ford Motor Company (NYSE:F)は、自動車事業を電気自動車部門と従来のガソリンおよびディーゼル部門に分割し、後者をEV拡大のための収益部門として活用する計画を発表した。同社の株価は8%以上の上昇となった。
マクロ経済面では、労働市場の経済指標の発表で、2月の民間雇用者数が47万5000人増となり、予想の37万8000人増を上回った。