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後場に注目すべき3つのポイント~米株先物などの動きを横目に一進一退の攻防

発行済 2022-09-05 12:24
更新済 2022-09-05 12:30
© Reuters.
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5日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。


・日経平均は4日続落、米株先物などの動きを横目に一進一退の攻防
・ドル・円は主に140円台前半で推移し、やや上げ渋る
・値下がり寄与トップはファーストリテ (TYO:9983)、同2位テルモ (TYO:4543)

■日経平均は4日続落、米株先物などの動きを横目に一進一退の攻防

日経平均は続落。
40.09円安の27610.75円(出来高概算3億9996万株)で前場の取引を終えている。


前週末2日の米株式市場のNYダウは337.98ドル安(-1.07%)と大幅反落。
8月雇用統計の結果を受けて、ハードランディング回避を期待した買いが優勢に。
ただ、後場からロシアのガスプロムがノルドストリーム稼働停止を継続すると発表すると欧州発の燃料危機を警戒した売りに下落に転じた。
連休前の手仕舞い売りも目立ち下げ幅を拡大。
ナスダック総合指数も大幅続落、後場から軟調な展開となった米株市場を受けて、日経平均は前週末比83.55円安の27567.29円と4日続落でスタート。
その後は、マイナス圏での軟調もみ合い展開となった。


個別では、レーザーテック (TYO:6920)や東エレク (TYO:8035)などの半導体関連株の一角が下落、商船三井 (TYO:9104)や日本郵船 (TYO:9101)などの海運株も軟調。
ファーストリテ (TYO:9983)やトヨタ自 (TYO:7203)、デンソー (TYO:6902)なども大幅安、レノバ (TYO:9519)やソニーG (TYO:6758)、任天堂 (TYO:7974)などのグロース株なども冴えなかった。
ほか、第1四半期決算はコンセンサス下振れとなったアインHD (TYO:9627)、第1四半期大幅減益決算を嫌気されたロックフィールド (TYO:2910)などが急落、LITALICO (TYO:7366)、ジャムコ (TYO:7408)などが値下がり率上位に顔を出した。


一方、ネクソン (TYO:3659)やリクルートHD (TYO:6098)、ダブル・スコープ (TYO:6619)が大幅上昇、INPEX (TYO:1605)やENEOS (TYO:5020)なども上昇。
日本電産 (TYO:6594)や信越化 (TYO:4063)、三菱重工業 (TYO:7011)なども堅調に推移した。
国内証券では業績上方修正で目標株価引き上げとなった日揮HD (TYO:1963)、投資有価証券売却益の計上を発表した凸版印刷 (TYO:7911)などが大幅高となった。
第一稀元素化学工業 (TYO:4082)、セグエグループ (TYO:3968)などが値上がり率上位に顔を出した。


セクターでは海運、陸運、輸送用機器が下落率上位となった一方、石油・石炭、鉱業、鉄鋼が上昇率上位となった。
東証プライムの値上がり銘柄は全体の35%、対して値下がり銘柄は60%となっている。


本日の日経平均株価は、続落してスタートした後マイナス圏での軟調もみ合い展開となった。
雇用統計の内容自体は好感されたが米国株が下げ止まらなかったことで個人投資家心理が悪化、節目の27500円が下値抵抗線として意識されている。
また、アジア市況や米株先物がやや軟調に推移するなか、日経平均株価は一進一退の動き。
そのほか、米国市場は本日レーバー・デーで休場、連休明けの米国市場の動向を見極めたい動きが広がっており積極的な売買は限られている。


一方、新興市場では押し目買い優勢の展開が続いている。
マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は、下落してスタートしたものの即座に買いが広がりプラス圏に浮上。
再度マイナス圏に転落したが、前引けにかけて買い気が強まり再びプラス圏に浮上して上げ幅を拡げた。
1日に一時3.3%近くまで急伸していた米10年債利回りがいったん低下しており、目先は新興株への逆風が小休止。
前引け時点で東証マザーズ指数が1.16%高、東証グロース市場Core指数が1.81%高で時価総額上位銘柄中心に買いが集まっている。


さて、2日に発表された米8月雇用統計では雇用者数の伸びが31.5万人と予想(29.8万人)を上回ったものの、平均賃金の伸びは前年比+5.2%と予想(+5.3%)を下回り、失業率は3.7%と予想(3.5%)を上回った。
8月の労働参加率は62.4%に上昇して2020年3月以来の高水準と一致、労働市場の逼迫の緩和を示唆するものとなった。
平均時給も前月比0.3%増加(前月は0.5%増)。
ここにきて需給が均衡しつつある兆しが出てきたようだ。


ブルームバーグによると、トレーダーの間では統計発表後に9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で3回続けて0.75ポイントの利上げが決まるとの織り込みが若干後退したという。
ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏らは「より多くの人が労働力に加わった8月統計は、ソフトランディング(景気の軟着陸)を目指す金融当局にとって、いくつかの好材料を含む」と指摘しているようだ。


ただ、雇用者数の増加ペースは7月に比べて鈍化したもののなお底堅く、FRBがタカ派姿勢を和らげることはないだろう。
9月からは量的引き締め(QT)が2倍のスピードに引き上げられていく。
市場の関心は今後、FOMC前に発表される消費者物価指数(CPI)に移る。


そのほか、欧州中央銀行(ECB)は8日に75ベーシスポイントの利上げという前例のない金融引き締めを発表すると予想されている。
7日には、カナダ銀行(中銀)も同規模の利上げを決定する見通しで、オーストラリアとチリの中銀は6日に0.5ポイントの利上げを決定すると見込まれている。


世界各国で今までにない利上げが実施されればグローバルな金利上昇に繋がる可能性があり、今月が世界的に重要な局面となる。
20、21両日の米FOMCでは少なくとも0.5ポイントの追加利上げが決定される公算が大きい。
FOMCを前にFRB高官らの発言には依然として注目しておきたい。


さて、今週も米国や中国で景気指標や経済指標など、多くの重要な指標が発表される。
これらの動向が明らかになるまでは積極的に売買する動きは限られるだろう。
後場の日経平均は、米株先物などの動きを横目に一進一退の攻防が続くか。
米国市場は本日レーバー・デーで休場、連休明けの米国市場の動向を見極めたい動きが広がると積極的な売買は限られそうだ。


■ドル・円は主に140円台前半で推移し、やや上げ渋る

5日午前の東京市場でドル・円は140円30銭近辺で推移。
一時140円55銭まで値を上げたが、140円50銭近辺から140円80銭近辺の水準には利益確定を狙ったドル売り注文が残されており、目先的にドル・円は主に140円台前半でもみ合う状態が続く可能性がある。
本日は米国市場が休場となるため、主要通貨の為替取引は動意薄の状態が続くとみられる。


ここまでの取引レンジは、ドル・円は140円13銭−140円55銭、ユーロ・ドルは、0.9901ドル−0.9935ドル。
ユーロ・円は138円92銭−139円44銭。


■後場のチェック銘柄

・フジックス (TYO:3600)、ディー・ディー・エス (TYO:3782)など、11銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファーストリテ (TYO:9983)、同2位テルモ (TYO:4543)

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・米・8月非農業部門雇用者数:+31.5万人(予想:+29.8万人、7月:+52.6万人←+52.8万人)
・米・8月失業率:3.7%(予想:3.5%、7月:3.5%)
・米・8月平均時給:前年比+5.2%(予想:+5.3%、7月:+5.2%)
・米・8月労働参加率:62.4%(予想62.2%、7月62.1%)

【要人発言】

・松野官房長官
「補正予算は必要に応じ適切なタイミングで判断」

・防衛省統合幕僚監部(4日)
「9月3日午後、ロシア海軍フリゲート艦、中国海軍ミサイル駆逐艦などが北海道沖の日本海で機関銃射撃を実施」


・16:00 スイス・4-6月期GDP(前年比予想:+2.9%、1-3月期:+4.4%)
・米国休場(レーバーデー)

<CS>

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