[東京 14日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比125円20銭安の3万2801円15銭と4日ぶりに反落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げサイクルの終了が示唆され、米国株は大幅続伸となったものの、日本株は急速なドル安/円高を嫌気し、寄り付き以降は総じてさえない展開になった。個別では円高による企業業績の悪化懸念で輸送用機器が軒並み下落し、トヨタ自動車が3%超安となった。
日経平均は105円高で寄り付き、心理的節目の3万3000円を回復した。194円高の3万3120円55銭まで上値を伸ばした後はマイナス圏に転落し、217円安の3万2708円77銭まで下落。前場の取引時間中にドル安/円高が進行したことなどが嫌気された。朝方142.80円台だったドル/円は、前引け時に141.80円台まで下げた。
りそなホールディングスの広兼千晶ストラテジストは「日銀が来年1月のマイナス金利解除に動くとの観測がある中、ドル安/円高はもう一段進むとされており、警戒感が高まっている」との見方を示した。日銀が13日に発表した12月短観では、事業計画の前提となる想定為替レートは1ドル=139.35円と円安方向に修正されており「この水準に近づくと、企業業績の悪化懸念が強まりやすい」(広兼氏)という。
日本株は日銀の政策修正観測のほか、自民党の政治資金を巡る政局不安が相場の重しになっているとの見方もある。12月相場では「クリスマスラリー」、「掉尾の一振」といった年末に向けて株高となるアノマリーが意識されやすい傾向があるが、「米国株のクリスマスラリーだけにとどまり、日本株の追随は限定的となる可能性がある」(信託銀行アナリスト)との声があった。
米連邦準備理事会(FRB)は12月12日─13に開いたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。据え置きは3会合連続。パウエル議長はFOMC後の記者会見で、FRB当局者が利上げを予想しなかったことについて「十分な措置を講じたと考えているということだ」と述べた。
TOPIXは1.11%安の2328.67ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆2716億5000万円だった。東証33業種では、値下がりは輸送用機器、銀行、保険など30業種で、値上がりはサービスや金属製品などの3業種にとどまった。
個別では、トヨタ自動車のほか、ダイキン工業、TDK、ホンダがさえなかった。前日に自社株買いを決議したと発表したリクルートホールディングスは6%超高。アドバンテストは2%超高となるなど、半導体関連の一角は底堅かった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが510銘柄(30%)、値下がりは1108銘柄(66%)、変わらずは43銘柄(2%)だった。