[ワシントン 18日 ロイター] - トランプ米政権が議会承認を目指している米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)について、米与野党の有力議員がそれぞれ、政府側との協議が進展していると明らかにした。USMCAは、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる3国の新たな貿易協定だ。
下院歳入委員会の委員長を務める民主党のリチャード・ニール議員は「われわれは相当前進しつつある。(ホワイトハウスと)数度の意見交換は必要かもしれないが、考え方は確実に整ってきている」と語った。
ペンス副大統領は17日、USMCAが年内に議会で承認されるとの見方を表明した。
民主党のペロシ下院議長は、同党としてUSMCAの批准を目標とするが、依然として実施の面でいくつかの懸念があると発言している。下院民主党側が要求しているのは、労働基準や環境基準の効力を持たせる、より適切なメカニズムの導入だ。
ただ下院歳入委に属する共和党のケビン・ブレイディ議員は、通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が、民主党の懸念に対処するための「かなり強力な措置」を提案したと述べ、事態打開への期待を示した。
民主党のホイヤー下院院内総務も、ライトハイザー氏は「誠実な仲介者」で、有効かつ前向きないくつかの対応を行っていると評価するとともに、米国の労働界の指導者はUSMCAの承認に肯定的になっていると付け加えた。
もっとも左派系民主党議員の多くはなお懸念を持っている。
カリフォルニア州選出で新人のケイティー・ヒル氏は、USMCAに環境基準の順守義務や、米国が温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」にとどまる方針を盛り込むようトランプ大統領に求める書簡をまとめ、109人の他議員の署名を集めた。