[オタワ 6日 ロイター] - カナダのトルドー首相は6日、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の米議会での批准手続きに「前向きな動き」があるとの見方を示した。
USMCAは3カ国が約1年前に署名したが、米野党・民主党が多数派を占める下院は、いまだに批准に向けた採決を行っていない。民主党は、労働者および環境の保護に関する規定の実効性を高めるほか、薬価引き上げを確実に阻止する取り決めを求めている。
ペロシ下院議長は前週、USMCAについて、批准が来年にずれ込む可能性もあると、ブルームバーグに語った。ただ、「より早期にできることを望む」とも述べている。[nL3N27H4B6]
トルドー首相は、米下院歳入委員会のニール委員長(民主党)との会談の冒頭で「この非常に重要な新貿易協定について、前向きな動きが出ているようで、うれしく思う」と述べた。
メキシコ議会はUSMCAを既に批准したが、カナダは米国と歩調を合わせたいとして批准手続きを先送りしてきた。
カナダのハイデュ雇用・労働力開発・労働相とも会談したニール氏は、カナダ訪問は有益だったとし「3カ国全ての労働者の保護と、環境保護に効果的な合意履行メカニズムの重要性を特に強調した」と述べた。
ニール氏が率いる下院歳入委は、下院民主党の作業部会とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表のUSMCAを巡る協議が「かなり進展した」と明らかにしたうえで、労働者保護を含む重要な問題の解消に取り組んでいるとした。
上院でも、財政委員会のグラスリー委員長(共和党)が6日、記者団に対し、ペロシ下院議長と下院歳入委の共和党委員らと協議した結果、年内批准の実現をこれまでより「前向き」に捉えていると述べている。